Ken Kurahashi

政治経済

「法の支配」の名を借りた政治介入:パウエル証言問題に見る中央銀行統治の危機

事件の概要(テーゼ)2026年1月、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、米司法省から大陪審の召喚状を受け取り、自身の証言に関連して刑事訴追の可能性を警告されたと発表した。問題とされたのは、2025年6月の上院銀行委員...
歴史

「早すぎた帝国」:始皇帝の中央集権と欧州絶対王政の歴史的時間差

はじめに紀元前221年、秦の嬴政は戦国諸国を征服して中国を初めて統一し、自ら「皇帝」を名乗った。彼は従来の封建制を廃して全国を郡県に再編するなど急進的な中央集権化を推し進め、貨幣・度量衡・文字・車幅を統一して経済と文化の標準化を図った。しか...
税務会計

相続税は本当に狙われやすいのか:法人税・所得税との税務調査比較

序論相続税・法人税・所得税はいずれも申告納税制度で、必要に応じて税務調査が行われます。全ての申告に一律に調査が入るわけではなく、税目ごとに件数や調査率が異なります。一般に「相続税は調査が入りやすい」と言われますが、この言説の背景を弁証法的に...
処世術

他人に興味なき時代のSNS:情報収集装置としての人間

問題提起私は「誰も他人に興味がない」と述べ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に興じる理由を疑問視しています。自身は情報収集のために利用し、公的機関や米国・国際機関など信頼できる情報に価値を置いています。この主張に対して、SN...
歴史

交易の十字路カシュガル:征服と共存が織りなす二千年

古代のカシュガル:多民族と交易の始まりタクラマカン砂漠の縁に位置するカシュガルは、紀元前一千年紀にはユエジ・烏孫・サカといった遊牧民族が往来し、オアシスに集落を築きました。この地域は東西交易路の結節点であり、民族や文化の交流によって都市が発...
政治経済

高インフレ国家トルコにおける金の防衛機能とその逆説

トルコでは物価上昇と通貨リラの下落が長期化している。2025年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比30.89%上昇し、主要な上昇要因は食料・非アルコール飲料、住宅、輸送など日常生活に密着した部門だった。月次でも0.89%上昇し、市場...
政治経済

黄金の国ジパングの幻影と現実

日本は、中世ヨーロッパ人にとって「黄金の国ジパング」と呼ばれるほど、金銀が豊富な国として描かれました。テーゼとしては、佐渡金山や鴻之舞金山などの数々の金山が歴史的に莫大な金銀を産出し、江戸幕府の財政を支え、外国からの交易や冒険心を掻き立てた...
投資

金利循環と資産選好:利下げの金、利上げの債券という通俗命題を疑う

前提:金利変動と資産価格のメカニズム金利は資金調達コストや資産の割引率を左右するため、株式・債券・コモディティなどの価格に大きな影響を及ぼします。一般に金利が低下すれば(利下げ局面)、企業の借入コストが下がり、将来の利益を現在価値に割り引く...
投資

高騰する金価格と増えない供給:「ピークゴールド」再考

背景世界の鉱山からの金供給は近年横ばいで推移している。2018年には年間約3,658トンと過去最高を記録したが、その後はほぼ横ばい状態が続き、2024年の生産量は3,645トンと依然として高い水準だった。2025年は第3四半期までの実績から...
処世術

六道輪廻の人間的意味:極端としての餓鬼と畜生

六道輪廻の概要仏教では生き物が輪廻する六つの存在状態(地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天)が説かれています。これらは過去の行為によって生じる転生先としての他界であると同時に、私たちの心の状態を象徴的に表したものとも解釈されます。下位三道(地...