Ken Kurahashi

税務会計

役員社宅は万能ではない――住宅規模・役員報酬・社会保険料から再検証する

問題の背景中小企業の経営者・取締役が自宅を法人名義で社宅にすることは、所得税や住民税だけでなく社会保険料も削減できる有効な節税策として知られている。一般には、会社が役員の住む住宅を借り上げ、自宅を法人所有または賃貸とみなし、役員が「社宅使用...
税務会計

ホームページで決算公告をする際の注意点

決算公告の概要と電子公告制度株式会社は定時株主総会で計算書類(貸借対照表など)の承認を受けた後、遅滞なく決算内容を公告する義務があります(会社法440条)。公告の方法は、官報掲載、日刊新聞掲載、電子公告のいずれかを定款で定めます。電子公告は...
税務会計

法人経営と税理士業務は両立できるのか ― 事務所設置を巡る検討

背景日本では税理士が登録する際、税理士法第40条により税理士事務所を1か所だけ設けなければならないと定められています。この事務所が税理士業務の本拠となり、外部に対して所在地や連絡先を明示することが求められています。税理士会の説明では、看板や...
コモディティ

金は歴史が繰り返すのか──2008年級の急落と反発の可能性を考察する

序論提示された図は、金価格が1990年代から2026年にかけての大きな下落局面を示しています。特に2008年の金融危機と現在の2026年初頭の売り込みが比較され、「81日間の下落が続き、2008年級の売られすぎ水準に到達している」という主張...
中央銀行

見えない量的緩和と株高政策──ウォーシュFRBの本質を問う

テーゼ(主張)命題は次のようにまとめられる。2026年6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を3.5〜3.75%に据え置く一方でマネーサプライを増やし、量的緩和(QE)を再開した。また、FRB議長に就任したケビン・ウォーシ...
日本

円高でも日本株はなぜ安かったのか

前提:歴史的背景と相関の変化1990年代にバブル経済が崩壊すると、日本は長期的なデフレと低成長に陥った。国内需要の低迷による経常収支黒字の拡大は円を支える力となり、金融機関や機関投資家が国内資産価格の急落に直面してリスク許容度を低下させたこ...
投資

成長を育てるVC、価値を磨くPE

はじめにベンチャーキャピタル(VC)とプライベート・エクイティ(PE)はいずれも非公開企業に資本を投入する投資戦略ですが、対象となる企業のライフサイクル、リスク許容度、資金調達手法やExit戦略に明確な違いがあります。VCは主にまだ製品や収...
税務会計

営業活動が生む利益と市場が生む利益──営業投資有価証券と投資有価証券の本質的差

はじめに上場金 ETF やインデックス投資信託の会計上の位置づけについて、「付加価値を付けたかどうか」よりも 利益の源泉 がどこにあるかを重要視している。日本の会計制度では、有価証券は保有目的に応じて「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」...
金利

日本の政策金利と国債利回りの歴史──10%の壁を超えたことはあったのか

1. 戦後の公定歩合(基準割引率・基準貸付利率)戦後、日本銀行は政策金利として公定歩合(現在の「基準割引率および基準貸付利率」)を用いてきました。日本銀行の公式表では、1955年以降の公定歩合は最高でも 9.0% しかありません。1973年...
税務会計

長期保有投資は売上か経常利益か――有価証券売買法人の会計

会計基準と有価証券の区分日本の企業会計基準では、保有目的によって有価証券の区分と評価・表示が異なる。主な区分は以下のとおりである。区分主な内容売却益の表示区分売買目的有価証券短期間の価格変動によって利益を得る目的で保有する有価証券。決算時に...