金融

ドル覇権の揺らぎと金回帰 ― 制裁リスクかインフレ懸念か

中央銀行の外貨準備構成を見ると、近年ドルの比率が緩やかに低下し、金の保有が増えています。通俗的な説明は、ロシアのウクライナ侵攻後に米欧が露中央銀行の資産を凍結し、SWIFTから主要銀行を切り離したことにより「ドル資産は地政学的リスクを伴う」...
税務会計

二重課税排除か租税優遇か ― 受取配当金益金不算入制度の光と影

法人税法には、他の法人から受ける配当等の金額の全部または一部を税務上の益金に算入しない制度(受取配当金益金不算入)が設けられています。これは企業グループ内で同じ利益に対して二重(または多重)に法人税がかかる不合理を排除するためです。もしこの...
コモディティ

5600ドルから4100ドルへ――2026年の金急落は歴代何位か

1974〜1976年:最初の大幅調整(約50%下落)ピークと下落幅:ブレトンウッズ体制の終焉後、金は自由相場となり数年で急騰した。国際通貨基金(IMF)の報告によると、1974年末には金価格は1トロイオンス200ドル近くまで上昇したが、その...
政治経済

コストプッシュインフレの本質――外貨を稼げる国だけが物価高を克服できるのか

コストプッシュインフレとは何かコストプッシュインフレは、需要面ではなく供給面の制約によって生じる物価上昇である。供給ショックや生産コストの上昇によって実質的な供給能力(総供給)が低下し、需要が変わらないまま物価が押し上げられる状況を指す。原...
政治経済

物価の源流と終着点 ― PPIとCPI

序論:PPIとCPIとは何か物価指標はインフレーションの動向を把握するために不可欠である。米国では生産者物価指数(Producer Price Index:PPI)と消費者物価指数(Consumer Price Index:CPI)が代表的...
金融

中立金利とターミナルレート―均衡点と到達点

正(テーゼ):両者は一致するという見方中立金利とは、経済を過熱も減速もさせない均衡的な政策金利の水準を指します。自然利子率(景気を中立に保つ実質金利)に期待インフレ率を加えたものが名目中立金利であり、潜在成長率や人口動態などの構造要因に依存...
金融

後手に回る中央銀行――ビハインド・ザ・カーブ

金融における「ビハインド・ザ・カーブ(Behind the curve)」は、中央銀行など金融当局が景気の変化に対して後手に回る状態を指します。景気後退期に後追いで急激な金融緩和を行ったり、物価が急上昇しているにもかかわらず利上げを遅らせる...
税務会計

利益か所得か ― 企業会計と税務会計の対立と統合

はじめに企業会計原則は営利企業が行う会計処理の規範であり、財務会計・管理会計を含む広義の会計全般を支えている。一方、税務会計は税金計算を目的とする会計で、財務会計の結果を税法の規定に従って調整し課税所得や納税額を算出する。両者は互いに密接に...
通貨

ドルの希薄化と金の再評価 ― 通貨供給量増大の帰結

グラフが示す通り、ニクソン・ショック以降の半世紀で米国のM2は持続的に拡大し、特に金融危機やコロナ禍後には急増しています。一方、金価格は急上昇と調整を繰り返しながら長期的には上昇トレンドにあります。このデータをもとに、通貨供給量の増大と金価...
通貨

信用が支え、金が補完する

テーゼ:通貨はその国の財・サービスの購入権経済学では、通貨は主に「交換手段」「価値貯蔵」「価値尺度」「支払手段」という機能を果たす。その中でも「交換手段」としての役割が最も重要であり、現金や銀行預金など人々が広く受け入れるものが貨幣となる。...