政治経済

実質金利が決める金価格:名目金利の限界

1971年のニクソン・ショックによりドルと金の兌換が停止し、1973年と1979年の石油危機も重なって米国の物価は急騰しました。米労働統計局の消費者物価指数(CPI)の前年同月比は「グレート・インフレーション」期に上昇を続け、1980年3月...
政治経済

なぜ英国は金を持たないのか — ロンドン金市場と国家準備の逆説

米国や欧州の列強は8000〜3000トン単位の巨額の金準備を保有しており、世界全体の6割以上を占めている。例えば、米国が約8133トン、ドイツが3352トン、イタリアやフランスが約2450トンを公的準備として保持する。ロシア(2333トン)...
政治経済

外為特会は特異か普遍か — 各国為替介入制度

中央銀行による外国為替市場介入には国ごとにさまざまな枠組みがあり、日本の「外国為替資金特別会計(外為特会)」に類似した制度を持つ国と、中央銀行が直接外貨準備を管理する国とに分けられる。この点を明確にするため、米国・中国・ロシアと他のG7諸国...
政治経済

なぜ日銀ではなく外為特会か — 為替介入資金の制度的必然

2024年の円買い介入では、財務省の「外国為替資金特別会計」(外為特会)が保有するドル資産を売却し、円を買い戻しました。これは、日銀が保有する外貨準備を使わなかったのはなぜかという問いに対する弁証法的な考察を示すものです。命題:外為特会を用...
政治経済

外貨準備を売るとき、金を売るとき

外貨準備とその売却外貨準備は外国債券や金などからなる国際収支のセーフティネットです。アイスランド中央銀行が説明するように、国際収支の変動や為替レートの影響を緩和し、金融システムの安定や対外債務返済能力の確保に寄与します。国内通貨の価値や投資...
政治経済

財務省と日銀のドル資産:役割の違いと2024年介入の実態

序論:外為特会と日銀の外貨資産日本の外貨準備は主に二つの主体に分けられます。一つは財務省が管理する外国為替資金特別会計(外為特会)で、為替介入の資金源となります。もう一つは日本銀行が保有する外貨資産で、国際金融協力や国内金融機関へのドル供給...
処世術

前科と学歴:固定された情報がもたらす社会の視線

学歴とは、一生涯変化することのない「情報」である。この点では、前科と構造的に共通している。前科者が罪を償い、真摯に更生し、善良な市民としての生活を送っていても、その過去の犯罪歴という「情報」は消えない。人間自身は刻々と変化し成長するが、周囲...
政治経済

マドゥロ拘束とホルムズ海峡封鎖:米国の強硬策と市場安定

序論2026年3月時点、米国は年初に実行したベネズエラへの電撃的な作戦でニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拘束し、現在はイスラエルとともに大規模な対イラン軍事攻撃を続けている。1月3日にベネズエラへ軍事介入しマドゥロを拿捕したのに続き、2月28...
政治経済

ボルカーショック再考:金価格は利上げ下でもなぜ高騰するのか

テーゼ:利上げは金価格の抑制要因金は利息を生まないため、名目金利が上昇すると投資家は利息が得られる金融商品へ資金を移しやすくなり、金にとって逆風となると考えられています。例えば1980年初頭、米国のポール・ボルカーFRB議長はフェデラルファ...
政治経済

戦後の日本経済が示す円の脆弱性と金の安全資産としての役割

問題の背景第二次世界大戦末期、日本政府は軍事費調達のために多額の国債(戦時補償債務)を発行しました。その結果、終戦時には政府債務残高が国内総生産(GDP)の約200%に達し返済不可能となりました。政府は戦後すぐに「戦時補償特別税」を導入し、...