NVIDIAのH20チップに関する米国の輸出規制強化を受けた各証券会社の評価


🔻 共通背景

  • 米国政府がNVIDIAのH20チップの中国向け輸出にライセンス制限を導入(無期限)
  • NVIDIAは第1四半期に最大55億ドルの費用計上を発表(主に在庫・購入契約・引当金)
  • 株価はこの発表後、時間外で約6%下落

🔍 各社の主な見解と目標株価の変化

🔴 BofA(Bank of America)

  • 目標株価:200ドル → 160ドルに引き下げ
  • 規制の影響:H20はFY26売上の6〜10%を占めるリスク
  • GAAP EPSに20%打撃、EPS全体で最大13%減少の可能性
  • 依然として魅力的な株価水準(PERが過去より低下)

🔵 Morgan Stanley

  • 目標株価:162ドル(維持)
  • ライセンス制限が「禁止ではない」が、在庫評価損=楽観視していない証拠
  • 出荷停止が**「予想より急で破壊的」**
  • 保守的スタンス維持、トップピックとして格上げは継続

🟢 Citi

  • 目標株価:明記なし(従来の予測維持)
  • 中国の全AI GPUが最終的に規制対象となる前提で分析
  • NVDAは7-Qガイダンスで中国が売上の約10%を占める
  • 予想を上回るのは難しくなる可能性

🟠 Piper Sandler

  • 目標株価:175ドル → 150ドルに引き下げ
  • H20は当初の米規制を遵守する設計だったため驚き
  • トランプ政権の影響による規制強化との見方
  • Overweightレーティングは維持

🟡 Raymond James

  • 目標株価:170ドル → 150ドルに引き下げ
  • 中国売上14%の大半がH20に依存との見方
  • 在庫処分=ライセンス取得困難の示唆
  • 株価はすでにH20リスクを織り込み済みと評価

🟣 Wells Fargo

  • 粗利益率に13ポイントの悪影響
  • 目標株価は言及なし
  • **政府の規制通知が「無期限」**であることを強調

⚪ Cantor Fitzgerald

  • 目標株価:200ドル(維持)
  • EPSに大きな影響はあるが、売上は「やや上振れ」との見方
  • 株価下落は買いのチャンスと捉え、「アウトパフォーム」継続

💡 全体的なまとめ

  • 全社ともにH20の影響を深刻に評価し、目標株価を引き下げ(または据え置き)
  • 株価の下落は織り込み済みと見る向きもあるが、短期的な業績にはマイナス
  • 中国規制が長期化・拡大するリスクが背景にある一方で、米国内AI需要やBlackwellなどの成長要素が支え

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