確かに、年初来高騰しているエヌビディア等の流行の米国株に投資をしていれば、一年を経ず元本は倍になる。当銘柄に限れば、近年のAI開発の進度を踏まえるとその高騰は予測可能なものであった。
しかし、S&P500は10月4日現在年初来約20%上昇している。S&P500に占めるマグニフィセントセブン(GAFAM+テスラ、エヌビディア)の時価総額の割合は約30%である。S&P500は時価加重平均を採用しているため、これらの企業の高騰がはっきりと反映される。
当企業群は世界的規模で市場を独占しつつあり、しばらくはその牙城は揺るぎそうもない。グーグルは世界最大の検索サービスであり、市場の9割を占める。マイクロソフトのオペレーションシステムはあらかたの電子機器に標準装備されており、アップルはスマートフォンやPC等の生活必需品を市場に供給している。また、フェイスブックやインスタグラムは世界中で使用され、アマゾンもアメリカ、ヨーロッパ、インド、日本等の主要国で市場を席巻している。テスラも電気自動車の普及及び電池の需要増により業績の向上は明らかであり、エヌビディアの半導体もAIの開発、普及には欠かせない。
もちろん、投資金額の一部を、時流に乗る個別株や業種別インデックスファンドの購入に充て、短期売買で利益を狙うのも妙味がある。一方、72の法則によれば、年利20%だと3.6年で元本が倍になる。よって、投資金額が1,000万円を超える程度なら、大半をS&P500の投資に回した方が安全かつ健全である。
したがって、米国の巨大テック企業の恩恵はS&P500のインデックスファンドで、十分恩恵を受けられる。市場の潮目が変わった場合においても、分散投資により暴落を回避できる。元本が大きくなるほど、負けない投資を心がけるべきである。
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