**業況判断DI(景況感DI、DI指数とも呼ばれる)**は、企業の景況感(業況=ビジネスの好調・不調)を数値化した指標で、企業の景況感を時系列で把握するための重要な経済指標の一つです。
1. 業況判断DIの計算方法
業況判断DIは、企業のアンケート調査をもとに算出されます。
企業に対し、「現在の業況は良いか、悪いか」を尋ね、その回答を数値化します。
計算式
業況判断DI = $(\text{「良い」と答えた企業の割合}) – (\text{「悪い」と答えた企業の割合})$
- 「良い」と回答した企業の割合が高いほど、DIはプラスになる。
- 「悪い」と回答した企業の割合が高いほど、DIはマイナスになる。
例えば:
- 「良い」30%、「普通」50%、「悪い」20% の場合
→ 業況判断DI = 30 – 20 = +10 - 「良い」10%、「普通」50%、「悪い」40% の場合
→ 業況判断DI = 10 – 40 = -30
2. 業況判断DIの種類
業況判断DIには、いくつかの種類があります。
① 日銀短観(日本銀行短期経済観測調査)
- 日本銀行が四半期ごとに発表する、国内企業の景況感を示す指標。
- 大企業・中小企業・製造業・非製造業などに分けて分析。
- 大企業製造業のDIが特に注目され、株式市場にも影響を与える。
② 中小企業庁の業況判断DI
- 中小企業に特化した業況判断を調査。
- 日本政策金融公庫や商工会議所などが独自に調査。
③ 経済産業省や民間調査機関(帝国データバンクなど)の業況判断DI
- 業種別の詳細な景況感(建設業、サービス業、製造業など)。
- 先行指標としての役割もあり、景気の方向性を予測する際に利用。
3. 業況判断DIの活用
① 景気動向の把握
- DIがプラス圏(例:+10以上) → 景気が好調
- DIがマイナス圏(例:-20以下) → 景気が悪化
- ゼロ付近 → 景気の変動が小さい or 停滞
② 投資判断
- 業況判断DIが上昇すると、企業業績の改善が期待され、株価が上昇しやすい。
- 逆に、DIが低下すると、景気後退の懸念から株価が下がることもある。
③ 企業経営の参考
- 企業は自社業界のDIを見ながら設備投資や人員計画を調整する。
- DIが下がると、経費削減や新規投資の抑制を検討する企業が増える。
4. 業況判断DIの例(過去データ)
年度 | 大企業製造業DI(日銀短観) |
---|---|
2019年12月 | 0(景気停滞) |
2020年6月 | -34(コロナショック) |
2021年3月 | +14(景気回復) |
2022年12月 | 7(景気減速) |
- 2020年のコロナ禍では、**急激なマイナス(-34)**を記録。
- 2021年には回復傾向に転じ、プラス圏に戻った。
- 2022年以降はインフレや世界経済の影響で、やや減速。
5. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 企業の業況(景況感)を数値化した指標 |
計算式 | (「良い」割合) – (「悪い」割合) |
代表的な調査 | 日銀短観、経済産業省調査、中小企業庁調査 |
見方 | プラス:景気良好、マイナス:景気悪化 |
活用例 | 景気予測、投資判断、企業経営の指標 |
業況判断DIは、景気の変動を早期に察知できる先行指標として非常に重要であり、特に日銀短観は金融市場に大きな影響を与えます。
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