銀行と公庫

政治経済

銀行と公庫(政府系金融機関)の違いは、運営主体・目的・融資方針などにあります。


1. 銀行とは

定義

銀行は、民間の営利企業として、預金を集め、貸出や投資を行い、利益を追求する金融機関。

特徴

  • **民間企業(株式会社)**が運営(例: 三菱UFJ銀行、三井住友銀行)。
  • 営利目的で運営される。
  • 市場の原理で融資を行う(審査が厳しく、返済能力重視)。
  • 企業や個人に対して短期・中長期の資金を提供。
  • 金利手数料収入を主な収益源とする。

主な業務

  • 預金業務: 普通預金、定期預金など
  • 貸出業務: 住宅ローン、事業資金、カードローン
  • 為替業務: 海外送金、決済業務
  • 投資業務: 債券・株式投資、M&A支援

2. 公庫(政府系金融機関)とは

定義

公庫は、政府が出資・運営する政策金融機関で、特定の産業・個人・企業を支援するために資金を供給する。

特徴

  • 政府(または公的機関)が運営(例: 日本政策金融公庫)。
  • 公益目的で運営(企業や個人を支援)。
  • 銀行よりも緩やかな審査で、社会的意義のある融資を行う。
  • 低利・長期の資金供給が可能(政府の支援があるため)。
  • 経済政策の一環として機能(例えば中小企業支援、農業支援)。

主な業務

  • 中小企業向け融資: 低金利の事業資金提供
  • 農林水産業支援: 農業・漁業者向け融資
  • 住宅ローン支援: 住宅金融支援
  • 教育ローン: 低金利の教育資金貸付

主な公庫

  • 日本政策金融公庫(JFC): 中小企業・農業者向け融資
  • 商工中金(商工組合中央金庫): 中小企業向け
  • 住宅金融支援機構: 住宅ローン(フラット35など)

3. 銀行と公庫の比較表

項目銀行公庫(政府系金融機関)
運営主体民間企業(株式会社)政府・公的機関
目的利益追求社会的支援(政策金融)
融資基準収益性・信用力重視(厳しい審査)公益性・支援目的重視(審査が緩め)
金利市場金利に基づく(高め)低利(政府の支援あり)
資金供給対象一般企業・個人中小企業・農業・低所得層など
リスク許容度低(返済能力が最優先)高(政策目的のため)
三菱UFJ銀行、みずほ銀行日本政策金融公庫、住宅金融支援機構

4. まとめ

  • 銀行は「利益追求」が目的で、信用力の高い企業・個人に融資する。
  • 公庫は「社会支援」が目的で、経済政策のために低金利・長期融資を提供する。
  • 銀行の審査は厳しく、公庫は政策的に緩和されることが多い(例:創業者向けの資金支援)。

銀行は商業的な金融機関、公庫は政府の政策金融機関として、それぞれ異なる役割を担っています。

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