**政府短期証券(T-Bill, Treasury Bill, TB)**とは、政府が発行する短期の割引債のことを指します。主に財務省や中央銀行を通じて発行され、満期までの期間が1年以内のものが一般的です。
政府短期証券の特徴
1. 発行形態
- 割引債(ディスカウント債)
- クーポン(金利)がつかず、**額面より低い価格(ディスカウント)**で発行される。
- 満期時に額面金額が支払われ、その差額が利息に相当する。
- 例:額面100万円のT-Billを98万円で購入 → 満期時に100万円受け取り → 利回りは2万円
2. 満期までの期間
- 通常、1年以内の短期国債と定義される。
- 代表的な期間:1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年(国によって異なる)
3. 発行目的
- 政府の短期的な資金調達(税収のタイミング調整や予算執行の補助)
- 金融市場の安定化(流動性供給)
- **中央銀行の公開市場操作(オペレーション)**で利用
4. 信用度が非常に高い
- 政府が発行するため、信用リスクが極めて低い(事実上の無リスク資産と見なされる)。
- そのため、機関投資家や金融機関の短期運用先として利用される。
各国の政府短期証券の例
国名 | 名称 | 満期の種類 |
---|
アメリカ | Treasury Bill(T-Bill) | 4週、8週、13週、26週、52週 |
日本 | 政府短期証券(TB) | 3ヶ月、6ヶ月、1年 |
イギリス | Treasury Bill | 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月 |
ドイツ | Bubill(Bundesschatzanweisungen) | 6ヶ月、12ヶ月 |
フランス | BTF(Bons du Trésor à taux fixe et à intérêt précompté) | 3ヶ月、6ヶ月、1年 |
中国 | 中央銀行短期債 | 3ヶ月、6ヶ月、1年 |
政府短期証券の利回り
- 市場の金利環境によって利回りが変動する。
- 政策金利の影響を大きく受ける(例:FRBが利上げするとT-Billの利回りも上昇)。
- 金融不安時には需要が急増し、利回りが低下(安全資産としての買いが入る)。
政府短期証券の活用例
1. 中央銀行の金融政策
- 短期国債の利回りを通じて金利政策を調整。
- 例:日本銀行やFRBが**量的緩和(QE)**で短期国債を買い入れることで市場の流動性を供給。
2. 銀行や機関投資家の資金運用
- 超短期の安全資産として利用(MMFやコール市場で活用)。
- 短期の余剰資金をT-Billに投資し、リスクなく運用。
3. 企業のキャッシュマネジメント
- 大企業やヘッジファンドが短期運用の手段として活用。
政府短期証券と他の国債との違い
種類 | 満期 | 利息(クーポン) | 価格決定方法 |
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政府短期証券(T-Bill) | 1年以内 | なし(割引債) | 額面より安く発行 |
中期国債(T-Note) | 2~10年 | あり(固定金利) | クーポン+額面 |
長期国債(T-Bond) | 10年以上 | あり(固定金利) | クーポン+額面 |
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