「CFD(差金決済取引、Contract for Difference)」とは、株式、指数、通貨、商品などの金融資産の価格変動を利用して利益を狙う金融デリバティブ取引の一種です。現物の資産を実際に保有することなく、買値と売値の差額(差益・差損)を現金で決済します。
特徴
- レバレッジ取引:少ない資金で大きな取引が可能
- 買い(ロング)も売り(ショート)も可能:価格の上昇・下落どちらでも利益を狙える
- スワップポイント(資金調達コスト):ポジションを持ち越すと発生することがある
- 24時間取引可能(銘柄による):為替や一部商品は土日以外ほぼ常時取引可能
主な取扱対象
- 株価指数(例:日経225、S&P500)
- 個別株(例:Apple、トヨタ)
- 為替(FXとの違いはCFD業者による)
- 商品(例:原油、金、天然ガス)
- 債券やETFなども対象になることも
メリット
- 下落相場でも利益を狙える
- 現物を保有しないので管理が楽
- 銘柄の種類が豊富
デメリット・リスク
- レバレッジによる損失拡大のリスク
- 長期保有には不向きな銘柄も(コスト面で)
- 強制ロスカットの可能性
CFDの経費について
1. スプレッド(売買価格の差)
- 売値と買値の差が実質的な手数料になります。
- スプレッドは銘柄や時間帯によって変動します。
- 例:買値100.0、売値99.8 → スプレッド0.2(実質0.2%のコスト)
2. スワップポイント/金利調整額
- ポジションを翌日以降も保有すると発生。
- 買いと売りで発生額が異なる。
- 金利の高い資産を売って、低い資産を買うと「マイナススワップ」がかかることが多い。
- 株価指数CFDでは「配当相当額」や「金利調整額」が絡むことも。
3. 取引手数料(業者による)
- 一部の業者では取引ごとに固定の手数料がかかる場合があります。
- ただし、多くの国内業者では無料に設定されていることが多いです。
4. 為替手数料(外貨建てCFD)
- 海外株や金など外貨建てのCFDを取引する際にかかることがあります。
- 為替スプレッドや両替コストに注意。
5. 口座管理料(基本無料)
- 多くのCFD業者では口座維持手数料は無料ですが、休眠口座への手数料が発生する業者もあります。
必要なコストは「短期トレード」か「長期保有」かによっても変わります。
たとえば、
- 短期トレード → 主に「スプレッド」だけ意識すればOK
- 長期保有 → スワップや金利調整額が利益に大きく影響
【1. 金CFDの経費】
主なコスト項目:
項目 | 内容 |
---|---|
スプレッド | 約0.3〜0.5ドル(業者や市場による) |
スワップ(保有金利) | 基本は「マイナス」。1日あたり数円〜数十円発生することがある(買いポジションの場合) |
取引手数料 | 多くの国内業者では無料。外資系では数ドル程度かかる場合あり |
為替コスト | 国内業者では円建てのことが多く、為替手数料は実質スプレッドに内包される |
補足:
- 金は利子を生まない資産なので、「金を保有=無利子資産を持っている」→スワップマイナス。
- 長期保有にはやや不向き。
【2. 米国株CFDの経費(例:AppleやTesla)】
主なコスト項目:
項目 | 内容 |
---|---|
スプレッド | 約0.1〜0.5ドル(株の人気度・流動性による) |
金利調整額 | 買いポジションでマイナス(数円〜数十円/日)売りポジションでプラスになることも |
配当相当額 | 配当日には買いポジションに対し「配当相当額」がもらえるが、売りポジションには「支払い」が発生 |
取引手数料 | 国内業者は多くが無料、外資系では1取引ごとに数ドル課金も |
為替手数料 | 円建てなら為替手数料はスプレッドに含まれるが、ドル建ての場合は為替両替コストあり(0.25〜0.5%程度) |
補足:
- 配当相当額が受け取れるのは魅力。
- 中長期投資も可能だが、金利調整額が日々かかるため、やや割高になることも。
【まとめ比較表】
項目 | 金CFD | 米国株CFD |
---|---|---|
スプレッド | やや広め | 狭い傾向(人気株は特に) |
金利調整(スワップ) | 基本マイナス | 買い:マイナス、売り:プラスの場合あり |
配当相当額 | なし | 買い:もらえる、売り:支払う |
長期保有向きか? | やや不向き | 銘柄によってはアリ |
為替の影響 | 円建てなら少 | 円建てかドル建てかで変わる |
CFD(差金決済取引)と信用取引はどちらもレバレッジを使って資金効率を高める投資方法ですが、仕組みや対象、コスト構造などにいくつか大きな違いがあります。以下に主要な違いを表形式でまとめ、その後に解説を加えます。
【CFD vs 信用取引】比較表
項目 | CFD(差金決済取引) | 信用取引(現物株の信用取引) |
---|---|---|
取引対象 | 株・株価指数・為替・商品・ETFなど | 日本国内の上場株のみ |
レバレッジ | 通常5倍程度(商品により異なる) | 一律3倍(制度信用) |
空売り(売り建て) | いつでも可能 | 銘柄によって制限あり |
決済方法 | 差金決済(現物を持たない) | 実際の株を貸借する(現物扱い) |
配当・金利 | 配当相当額あり、金利調整額発生 | 買い:金利支払、売り:貸株料支払 |
手数料・コスト | スプレッド・金利調整額 | 売買手数料・信用金利・貸株料 |
取引時間 | 24時間取引可能な商品も多数 | 株式市場の開場時間のみ(9:00〜15:00など) |
取扱業者 | CFD専業(GMOクリック、IG証券など) | 証券会社(楽天証券、SBI証券など) |
税制 | 申告分離課税20.315%(先物と同じ) | 一般株式と同じ課税(特定口座OK) |
【主な違いの解説】
1. 取引対象の幅
- CFDは株価指数、金、原油、外国株、FXなど世界中の多様な資産に投資可能。
- 信用取引は原則として国内株式限定。しかも、空売りできる銘柄には制限あり(売禁銘柄など)。
2. 売りから入る自由度
- CFDは基本的にどの銘柄でも買い・売りが自由(上昇でも下落でも利益を狙える)。
- 信用取引では**「空売り禁止銘柄」や「注意銘柄」**があり、売りができないことも多い。
3. 税制
- CFDの利益は先物取引等と同じ扱いで、損益通算や繰越控除が可能。
- 信用取引は現物株と同じ税制で、特定口座対応ができる点が利便性高い。
4. コスト構造
- CFDは「スプレッド+金利調整額」が中心で、手数料は無料のことが多い。
- 信用取引は「売買手数料+信用金利(年利2〜3%程度)+貸株料(売り建て時)」がかかる。
【こんな人におすすめ】
- CFD向き:
- 国内外の指数やコモディティも扱いたい人
- 空売りを頻繁にしたい人
- 短中期で相場全体に投機したい人
- 信用取引向き:
- 日本株に詳しい・中長期で買いたい個別株がある人
- 特定口座で税務を簡単に済ませたい人
- 貸株や配当目的も視野に入れる人
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