米国債とソブリン債

「米国債」と「ソブリン債」はどちらも国家が発行する債券ですが、以下のような違いがあります。


✅ 1. 定義の違い

項目米国債ソブリン債
意味アメリカ合衆国政府が発行する債券主権国家が発行する外貨建て債券(ドル、ユーロなど)を一般に指す
発行体アメリカ合衆国(米財務省)各国政府(例:ブラジル、トルコ、インドネシアなど)

✅ 2. 通貨の違い

項目米国債ソブリン債
通貨アメリカドル建て多くは**外国通貨建て(ドル建て・ユーロ建てなど)**だが、現地通貨建てもあり
通貨リスクなし(米ドル保有者にとって)あり(為替変動リスク)

✅ 3. 信用リスクの違い

項目米国債ソブリン債
信用格付非常に高い(例:AA+、AAA相当)国によってばらつきが大きい(投資適格~ジャンク債)
債務不履行リスクほぼゼロ一部の新興国ではデフォルトリスクあり(例:アルゼンチンなど)

✅ 4. 利回りの違い

項目米国債ソブリン債
利回り先進国水準で低め一般に高利回り(リスクプレミアムが反映)

✅ 5. 用語の使われ方の違い

  • 米国債(U.S. Treasuries)
    • Treasury Bills(短期国債、1年未満)
    • Treasury Notes(中期国債、2〜10年)
    • Treasury Bonds(長期国債、20〜30年)
    • Treasury Inflation-Protected Securities(TIPS:インフレ連動国債)
  • ソブリン債(Sovereign Bonds)
    • 通常、アメリカ以外の国が外貨建てで国際市場向けに発行した国債を指す
    • IMFや投資家が用いる国際金融用語

🔍 補足:なぜ「米国債」と「ソブリン債」が別物扱い?

  • 米国債は市場流動性が非常に高く、「世界の安全資産の代表格」として扱われます。
  • 一方、ソブリン債という言葉は「信用力の劣る国々の国債を含む広いカテゴリ」を指す場合が多いため、投資リスク・運用戦略が異なります。

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