「アナリスト」と「エコノミスト」

「アナリスト」と「エコノミスト」は、経済や金融分野で用いられることが多い職業ですが、それぞれの役割や専門性には明確な違いがあります。


①アナリスト(Analyst)とは

  • 意味:主に特定の企業、産業、証券(株式や債券)などを対象に、その投資価値や将来性を分析・評価する専門家。
  • 仕事の内容
    • 企業の財務諸表や決算情報の分析
    • 業界動向の調査や企業業績予想
    • 投資家への投資推奨(レーティングや目標株価の設定)
    • マクロ経済の影響も考慮するが、より具体的・実務的な分析が中心
  • 主な勤務先
    • 証券会社
    • 投資銀行
    • 投資顧問会社、運用会社
    • 格付け機関
  • 資格例
    • CFA(Chartered Financial Analyst)
    • 証券アナリスト資格(日本証券アナリスト協会)

②エコノミスト(Economist)とは

  • 意味:経済全体の動きを分析し、マクロ経済(景気、金利、為替、財政・金融政策など)について調査・予測を行う専門家。
  • 仕事の内容
    • GDP、雇用統計、物価指数などマクロ経済指標の分析・予測
    • 政策(金利政策、財政政策)の影響評価
    • 景気循環や経済危機などのマクロ経済リスク評価
    • 経済理論やモデルを用いて将来の経済見通しを立てる
  • 主な勤務先
    • 民間のシンクタンク
    • 政府・中央銀行(財務省、日本銀行、FRBなど)
    • 民間銀行や証券会社の経済調査部門
    • 国際機関(IMF、世界銀行)
  • 資格例
    • 特定の資格というよりは、経済学修士・博士号(Ph.D.)などの学位が重視される

比較まとめ

項目アナリストエコノミスト
専門性個別企業や業界・金融商品の分析経済全体のマクロ的分析
分析対象個別企業、業界、市場国家経済、世界経済、政策
主なスキル財務分析、業界分析、投資判断経済理論、統計学、経済政策の理解
主な勤務先証券会社、投資銀行、運用会社シンクタンク、銀行、政府、中央銀行
主な資格CFA、証券アナリスト資格経済学修士・博士

実際の例

  • アナリスト
    「NVDAの今期決算は予想を上回る見通しで、目標株価を500ドルに引き上げます。」
  • エコノミスト
    「米国の利上げサイクルが終了に近づき、2025年後半には景気後退に入る可能性が高いと予測します。」

以上が「アナリスト」と「エコノミスト」の主な違いです。

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