SKEW/VIX比率とは、投資家が市場の下落リスクに対してどのような心理状態にあるかを示す指標の一つで、具体的には以下の2つの指数を組み合わせて算出されます。
- SKEW指数:
「テールリスク」(通常起こる可能性は低いが、起きた場合の影響が大きい極端な市場下落)に対する市場の警戒感を表します。
SKEWが高いほど、「極端な暴落に備えている投資家が多い」ことを示しています。 - VIX指数(恐怖指数):
「短期的な市場の変動リスク」への投資家の心理を表す指標です。
VIXが高いほど「目先の市場変動に対する投資家の不安が強い」ことを意味します。
SKEW/VIX比率が表す意味
この2つを組み合わせたSKEW/VIX比率は、以下のように解釈できます。
- 比率が高い場合(SKEW高、VIX低):
- 短期的には市場が落ち着いているが、一部の投資家は将来的な暴落(テールリスク)を警戒している。
- 表面的な楽観と、裏側の慎重な姿勢が共存する状況を示します。
- 比率が低い場合(SKEW低、VIX高):
- 短期的な市場の不安が極めて高く、目先の急激な変動やリスク回避の動きが支配的な状況。
- 遠い未来の暴落を考える余裕がなく、足元のリスクに対処するので精一杯になっていることを示します。
実務上の利用方法
投資家はこの比率を使い、市場心理の状態を把握して投資判断に役立てます。
- 高すぎるSKEW/VIX比率は、表面上は市場が安定しているが、一方で隠れたリスクへの警戒心が強まっているため、「楽観相場の天井」の警戒シグナルになる場合があります。
- 極端に低いSKEW/VIX比率は、市場が強い悲観状態に陥っていることを示し、逆に底打ち(リスクオフの出尽くし)の目安になることがあります。
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