「FFレート」と「無担保コール翌日物」

「FFレート」と「無担保コール翌日物」は、米国と日本の短期金融市場での代表的な指標金利であり、似ていますが、以下のような違いがあります。


① FFレート(Federal Funds Rate)とは

  • 国・通貨: 米国ドル
  • 取引主体: 米国の銀行同士
  • 貸借期間: オーバーナイト(翌日物)
  • 取引形態: 無担保で銀行同士が資金を貸し借り
  • 金利の性質: FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策の指標として誘導目標を設定する、米国の最重要短期金利。
  • 政策上の位置付け: 米国の金融政策のベースとなる指標金利。

② 無担保コール翌日物(Unsecured Overnight Call Rate)とは

  • 国・通貨: 日本円
  • 取引主体: 日本の金融機関同士
  • 貸借期間: オーバーナイト(翌日物)
  • 取引形態: 無担保で金融機関同士が資金を貸し借り
  • 金利の性質: 日銀が短期金融市場で誘導する短期金利の代表的指標。日銀の金融政策(短期金利誘導)を反映。
  • 政策上の位置付け: 日本の金融政策のベースとなる指標金利(日銀の政策金利の誘導目標)。

【両者の違いを比較】

項目FFレート(米国)無担保コール翌日物(日本)
通貨米ドル日本円
市場米国の銀行間市場(フェデラルファンド市場)日本の銀行間市場(コール市場)
金利決定への介入FRBが誘導目標を設定し、公開市場操作を通じて調整日銀が誘導目標を設定し、公開市場操作を通じて調整
主な利用目的米金融政策の指標、短期流動性の調整日銀の金融政策の指標、短期流動性の調整

【要するに】

  • 共通点:
    • 両方とも銀行間の無担保・翌日物(オーバーナイト)の資金取引金利。
    • 中央銀行の金融政策により誘導・操作される。
  • 相違点:
    • FFレートは米国の政策金利で、米国のFRBが誘導。
    • 無担保コール翌日物は日本の政策金利で、日銀が誘導。

つまり、両者はほぼ同じ性質を持ちますが、異なる通貨圏(米国と日本)での中央銀行の政策誘導対象となる短期金利という違いがあります。

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