労働市場の生産性

「労働市場の生産性」とは一般的に、労働力がどの程度効率的に経済価値を生み出すかを示す指標のことである。

より具体的には、

• 労働生産性（Labor Productivity）
  • 労働者1人あたり、または労働時間1時間あたりにどれだけの生産や付加価値を生み出せるかを表す。
  • 式： 労働生産性 = $\frac{生産量や付加価値（GDP等）}{労働者数または総労働時間}$
• 労働市場の生産性が高い状態
  • 少ない労働投入で多くの成果（製品・サービス）を生むことができる。
  • 一人あたりの賃金が高く、経済全体の所得水準が上昇しやすい。
• 労働市場の生産性が低い状態
  • 同じ量の生産をするためにより多くの労働者や労働時間が必要となり、コストが高くなる。
  • 賃金が停滞し、経済成長が鈍化する。
• 労働市場の生産性を左右する主な要因
  • 労働者の教育水準やスキル（人的資本）
  • 生産設備や技術革新の導入状況（資本投資）
  • 労働市場の柔軟性（雇用・解雇の容易さ）
  • 組織や経営手法の効率性（経営資源の活用度）

移民抑制政策が「労働市場の生産性を低下させる」とは、
主に低賃金で効率的に機能していた移民労働力が減少することにより、
① 国内の労働供給が減って人手不足が深刻化し、
② 必要な技能や労働力を確保するコストが上昇し、
③ 結果として経済全体の効率（生産性）が落ちることを意味している。

すなわち、移民の抑制は一部労働者の賃金を短期的に押し上げる効果はあるが、全体としては労働市場が硬直化し、生産性を引き下げてしまう可能性がある、ということである。