S&P500株式に占めるインデックスファンドの保有割合(最新データ)
最新の推計によれば、**S&P500構成銘柄の時価総額合計の約20~25%**をインデックス連動型ファンド(ETFおよびインデックス型ミューチュアルファンド)が保有しています。これはS&P500全銘柄の平均値であり、個別銘柄によってばらつきがあります。例えば、一部の大型株ではインデックスファンドによる保有比率が40%を超えるケースもある一方、比較的小型の銘柄では10数%程度に留まる場合もあります。全体としては、主要株主上位に名を連ねるバンガードやブラックロックなど、大手インデックス運用会社による保有割合が年々高まっています。
パッシブ運用資産の比率とアクティブ運用との比較
インデックスファンド(ETF含む)によるパッシブ運用は、この10数年で急拡大し、米国籍投資信託・ETF全体の資産残高の約半分を占めるまでになりました。実際、2023年末時点でパッシブ運用資産がアクティブ運用資産を僅かに上回り、史上初めてパッシブがアクティブを逆転しました。これは2010年頃にはパッシブの比率が2割弱に過ぎなかったことを考えると顕著な変化です。特に株式市場の長期上昇と低コスト戦略の優位性を背景に、パッシブファンドへ巨額の資金流入が続く一方、同期間に多くのアクティブファンドが資金流出に見舞われました。その結果、米国株式市場では**「資金の半分以上が指数連動型」という時代**になりつつあります。
インデックスファンド保有比率の時系列推移(2010年~2024年)

図:S&P500株式におけるインデックスファンドの保有比率(黄線)と、米国籍投信・ETF全体におけるパッシブ運用資産比率(赤線)の推移(2010–2023年)。いずれも%表示。
上図は過去約15年間のパッシブ運用比率の上昇トレンドを示しています。S&P500株式の指数ファンド保有比率(黄線)は、2010年前後には一桁台(約5%程度)と低い水準でしたが、その後右肩上がりに増加しました。2020年頃には約15~20%に達し、直近の2023年時点では約20%強となっています。一方、米国籍ミューチュアルファンドおよびETF全体のパッシブ運用比率(赤線)は、2010年時点で約20%でしたが急速に拡大し、2020年前後には約40~45%、そして2023年にはおよそ50%(半数)にまで高まっています。
- 2010年: S&P500銘柄のインデックスファンド保有率は一桁台(約5%)、ファンド全体のパッシブ資産比率は約20%
- 2020年: S&P500のパッシブ保有率は約15~18%、ファンド全体のパッシブ比率は約45%前後
- 2023年: S&P500のパッシブ保有率は約20%強、ファンド全体ではパッシブ比率がほぼ50%に達する
以上のように、2010年以降パッシブ運用の存在感は飛躍的に高まっており、株式市場におけるインデックスファンドの影響力が年々増大していることがわかります。特にS&P500では、現在その時価総額の4分の1前後をパッシブ資金が握っており、この傾向は今後も続くと予想されています。
要約
以下は、S&P500におけるインデックスファンド保有割合の最新状況と推移の要約です。
最新状況(2023年末時点)
- S&P500構成銘柄の時価総額のうち、**約20〜25%**がインデックスファンド(ETF・ミューチュアルファンド含む)によって保有されている。
- 大型株ほど保有比率が高く、特定銘柄では40%以上に達する場合もある。
インデックスファンド比率の推移(2010年~2023年)
- 2010年: S&P500保有比率は約5%程度と低かった。
- 2020年: 比率は約15~18%に上昇。
- 2023年: 比率は約20%強となり、急速な拡大傾向が続いている。
パッシブ運用 vs. アクティブ運用
- 米国籍投資信託・ETF全体におけるパッシブ運用資産の割合は、2010年の約20%から急増。
- 2023年末には約50%に達し、史上初めてアクティブ運用資産を上回った。
以上より、S&P500の保有構造においてインデックスファンドの影響力が著しく高まっており、市場の構造変化を示す重要な動きとなっています。
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