「非関税障壁(Non-Tariff Barriers, NTBs)」とは、関税(tariff=税金)以外の方法で輸入品に対して制限や負担をかける政策・規制のことです。つまり、直接的に「税金をかける」のではなく、制度・手続き・技術的な規制などを通じて、外国製品の市場参入を難しくする手段です。
🔍 主な非関税障壁の種類
分類 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
技術的障壁 | 製品に特定の規格や認証を義務付ける | 電気機器に自国仕様の電圧・周波数を強制する、環境規制(例:欧州のRoHS) |
数量規制 | 輸入品の数量・重量を制限する | ○○品目は年間1万トンまでしか輸入できない、など |
輸入ライセンス制度 | 特定の輸入には許可が必要 | 政府が発行する「輸入許可証」がないと通関できない |
原産地規制 | 原産地証明を厳格に要求 | 輸出元が特定国でないと関税優遇を受けられない、など |
検査・認証の手間 | 通関時に過度な検査や書類提出を課す | 「衛生検査に2週間かかる」「翻訳付き原本提出が必要」など |
補助金・優遇制度(間接的障壁) | 自国産業に補助金を出して競争力を高め、間接的に輸入品を締め出す | 中国の国有企業への政府補助金、米国CHIPS法補助など |
🧠 ポイント:なぜ問題視されるのか?
- 表向きは合法・中立に見えるが、実質的に外国製品の排除に使われる
- WTO(世界貿易機関)では禁止されていないものも多いため、是正が難しい
- 非関税障壁は“見えにくい壁”であり、交渉・調整が複雑
🇨🇳 中国の非関税障壁(例)
トランプ政権やバイデン政権がたびたび非難しているのが、中国の以下のような非関税障壁です:
- 外国企業への「技術移転の強要」
- 政府調達における中国製品の優遇(外国製品排除)
- 国有企業への補助金(価格競争力で外国製品に勝る)
- 外資系企業への複雑な手続きや事業ライセンス取得の困難さ
これらに対抗して、米国は関税を使って「対抗手段」として圧力をかけているのが現状です。
✍️ まとめ
- 「非関税障壁」とは、関税以外の手段で貿易を制限・操作する方法。
- 現代の貿易摩擦では、「非関税障壁」が見えない貿易戦争の主戦場。
- 半導体・医療・食品など安全性や規格が重要な分野で、特に多く用いられる。
コメント