
S&P500株価とEPS(企業利益予想)の推移とリスク要因(2024年~2025年)
このチャートは、2024年4月から2025年4月におけるS&P500指数の株価と企業利益予想(EPS)の推移を表しています。
① S&P500株価の推移(青線)
- 2024年の中盤から年末にかけて株価は順調に上昇し、2024年末には6,000ポイントを突破しました。
- しかし、2025年に入ると状況が変化。特に3月末から4月にかけては急落し、約5,400ポイントまで下がりました。
- 下落の背景には、通商政策の不確実性や景気後退懸念、インフレ再燃などの影響が考えられます。
② 企業利益予想(EPS)の推移(黒線)
- EPS予想は全体として2024年後半以降、緩やかに下落しています。
- 特に2025年4~6月期のEPS予想は、2024年当初の予想より明確に低下しました。
- 下落の主因として、景気減速、企業の採算悪化(原材料費や人件費の増加)、貿易政策や地政学リスクによる不透明感などが挙げられます。
③ 株価とEPSの乖離とその意味
- 株価が企業の利益見通しを上回って上昇(割高化)する局面が2024年後半に見られました。
- この乖離が大きくなった後、2025年初頭には株価の調整が入り、実態である企業業績に近づきました。
- 企業収益を伴わない株価の高騰には限界があり、実際に株価調整によってこの乖離が解消されました。
④ 投資上のリスクと注意点
- 株価が企業の業績見通しより先行して上昇する場合、突発的な悪材料による急激な調整リスクが高まります。
- EPS予想の継続的な下方修正は景気後退の兆候である可能性があるため、慎重な判断が求められます。
- インフレや政策変更(金利政策、貿易政策など)は企業業績を大きく左右するため、マクロ経済指標や政策の動きを注意深く観察することが重要です。
以上より、このチャートからは、投資判断において企業の実際の収益動向を常に確認し、株価が過度に楽観的な水準にある場合は慎重に行動する必要があることが示唆されます。
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