円安により外資系企業を誘致する

投資

確かに、2024年4月29日に約5.5兆円の円買いによる為替予約が日本政府により実行された。投機筋による急激な円安を避けたためである。しかし、日本政府は円安を志向している。海外からの投資を呼び込むためである。

今年に入ってからも、マイクロソフトやMIT(マサチューセッツ工科大学)等、米国からの日本国内への投資案件に事欠かない。ここ数年、インバウンドのような個人レベルでの外貨流入による経済効果は生じていたが、直近では大企業レベルでの投資が散見される。

1980年代、英国のサッチャー首相は規制緩和やポンド安により外国からの投資を呼び込み、外資系企業が英経済を牽引した。世にいう「ウインブルドン現象」である。我が国はITや半導体の最先端技術における第一人者ではない。最先端を行く米国等に教えを乞う立場である。そのため、外資系企業を誘致しなければ国際的な競争に勝てない。

一方、日本の商品に魅力がなければ、日本は輸出によりドルを獲得できず、ますます円安が進む。急激な円安はエネルギーや食糧の自給率の低い我が国におけるインフレを引き起こし、国民生活が立ち行かなくなる。

例えば、米国半導体大手のマイクロン・テクノロジー社は広島工場への投資を加速する。当社はエヌビディアに半導体を卸しており、国際競争力が極めて高い。当社のような存在が輸出によりドルを獲得し、日本の過度の円安を留めてくれる。

したがって、経済成長のため日本政府は円安を意図している。国内産業で競争力を保っているのはトヨタに代表される自動車産業に限られる。情報技術や半導体産業は後れを取っているため、最先端企業を誘致することで経済の活性化を図りたい。

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