Ken Kurahashi

投資

金銀封じという幻想:市場崩壊論を冷静に読み解く

テーゼ:銀行家による市場操作説金や銀の価格が操作されていることは、近年の金融スキャンダルからも想起されます。例えば、ロンドンの金価格設定(London Gold Fix)を担当していたバークレイズは、2014年、トレーダーが取引注文を操作し...
政治経済

良貨は去り、帝国は残らず:ローマ貨幣史の教訓

正貨の時代(命題)共和政末期から初期帝政にかけて、ローマは貴金属に裏付けられた安定した貨幣制度を築いた。紀元前211年頃に導入された銀貨デナリウスはほぼ95%の銀含有率を持ち、百年後のアウグストゥス帝時代にも95%前後の高純度を維持した。一...
政治経済

カレーダ・ジア死去:血の正当性が終わるとき、バングラデシュ政治は次の段階へ

1. 序論:歴史的背景と死去の衝撃カレーダ・ジアはバングラデシュ初の女性首相であり、その死去(2025年12月30日、80歳)は国内外で大きく報じられました。彼女の長年のライバルであるシェイク・ハシナと並び、独立後50年の同国政治を特徴づけ...
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1月は本当に一年を占うのか:中間選挙の年・2026年のアノマリー

序論2026年は米国の中間選挙の年であり、ウォール街には「1月の動向はその年の相場を占う」という格言があります。この考え方は「1月相場(JanuaryBarometer)」と呼ばれます。1950〜2023年のデータでは、S&P500が1月に...
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なぜペーパーETFは現物価格に置き去りにされるのか

1. そもそもペーパーETFの価格は何に支えられているか貴金属ETFの価格は、理論上は次の三点で成り立っています。現物在庫の存在ETFは「現物を保有している」という前提で発行される裁定取引(アービトラージ)ETF価格と現物価格が乖離すれば、...
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金高騰は信認の崩壊か、安全資産の復権か

序論2025年には金価格が過去に例を見ないほど上昇し、10月にはロンドン市場の午後価格で1オンスあたり4,170ドルを超える局面もありました。この急騰は単に投機熱だけでなく、世界的な地政学リスクの高まり、米国の財政・金融政策への不信感、主要...
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証拠金では止められない価格:根源的需要が支配する貴金属市場

テーゼ(命題)―証拠金政策による価格抑制の期待先物市場では、取引所が初期証拠金や維持証拠金を引き上げることでレバレッジを抑え、投機的な建玉を減らし価格の過熱を鎮めることができます。大口投資家やヘッジファンドは高い証拠金コストに耐えきれず建玉...
投資

証拠金では止まらない金属価格:ペーパー市場の限界と現物回帰

問題提起 – 貴金属の証拠金引き上げと価格抑制貴金属の先物取引は、証拠金(マージン)の設定によってレバレッジ取引を可能にしています。市場の混乱を抑制する目的で取引所が証拠金を引き上げると、投機的なポジションが減少し、価格上昇が落ち着くとの見...
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機関投資家はなぜ金を持たなかったのか:非生産資産から価値保存資産への転換

保有が低いとされる理由 – 金は債券や株式のように利息や配当を生まないため、複利効果を求める投資家にとって非生産的な資産とみなされます。企業収益のような評価基準がないため価値評価が難しく、保守的な機関投資家は国債中心のポートフォリオを構成し...
政治経済

富とお金の乖離が生む現代バブル

レイ・ダリオ氏の問題提起(正の極)レイ・ダリオ氏は、現代世界が長期債務サイクルの終局に近づきつつあり、1970年代・1930年代の状況と類似していると警告している。氏の主張は次のように整理できる:過剰債務と通貨の減価:政府債務と民間債務が膨...