Ken Kurahashi

政治経済

失業率上昇は警鐘か錯覚か

はじめに2025年12月16日に発表された米国11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比6.4万人増と市場予想(5万人増)を上回り、10月の▲10.5万人から反発しました。しかし失業率は4.6%と9月の4.4%から上昇し、統計が開始され...
言語

語順に宿る世界観:SOVとSVOから読み解く文化

語順の違いと文化背景日本語は「主語・目的語・動詞(SOV)」の順番が基本です。たとえば「私はリンゴを食べる」という文では「食べる」が最後に来ます。一方、英語は「主語・動詞・目的語(SVO)」で「I eat an apple」と動詞が早く提示...
処世術

英語という変数を定数に変える:数学的比喩から考える英語学習

数学と社会的応用の比喩数学は多様な関係性を抽象化して整理する学問です。たとえば一次方程式は、未知数(変数)と既知の要素(定数)の関係を明示し、計算によって最適な解を導き出します。これは日常生活や仕事での「管理術」に通じます。要素が複雑で多す...
政治経済

資産バブルをどう抑えるか:マクロプルーデンシャル政策の役割

バブル抑制を目的としたマクロプルーデンシャル政策(以下、「マクロ政策」)は、金融システム全体に目を向けて資産価格の過熱や信用の過剰拡大を未然に抑えるための政策手段です。個別金融機関の健全性を重視する「ミクロプルーデンシャル政策」と異なり、シ...
政治経済

リーマンショック後の量的緩和と通貨希薄化

序論 – リーマンショックと未曾有の金融緩和2007〜2009年の世界金融危機は、リーマンブラザーズの破綻を契機に信用収縮が連鎖して「Great Recession」と呼ばれる不況に発展しました。米国では住宅市場の崩壊と金融機関の破綻が相互...
政治経済

新自由主義とマネタリズムの逆説:米国金融緩和の歴史的展開

新自由主義やマネタリズムは、1970年代半ばまで支配的だったケインズ主義を批判する形で登場した。ケインズ派は有効需要が不足すれば失業が生じると考え、財政政策や積極的な金融緩和で需要を支えるべきだと主張した。これに対しシカゴ学派を中心とするマ...
健康

炎症を鎮める湯の力

序論日本では古くから温泉療法(湯治)が行われてきました。温泉の効能は温熱効果、水圧・浮力などの物理作用、含有成分による化学作用、自然環境による心理的効果などが組み合わさったものであり、炎症疾患や慢性疼痛の治療手段として注目されています。一方...
生活

左足ブレーキ論争を整理する:違法性はなく、問われるのは操作の確実性

日本の道路交通法では、ブレーキペダルを踏む足を「右足に限る」と定めた条文は存在しません。安全運転義務を規定した道路交通法第70条では、運転者に対し「当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路・交通・当該車両等の状況...
投資

クリスマスラリーは神話か現実か

米国株式市場では、年末の限られた期間に株価が上昇しやすいという「クリスマスラリー(サンタクロース・ラリー)」という現象が語られます。具体的には、12月の最終5営業日と新年の最初の2営業日の合計7日間に市場が上昇する傾向があり、1972年に刊...
政治経済

日銀が最後の買い手となる構造:GPIFと国債市場の矛盾

背景長らく日本銀行(日銀)は量的緩和政策とイールドカーブ・コントロール(YCC)を通じて国債金利を歴史的な低水準に抑え、2020年代初頭には10年国債がほぼ0%、時にはマイナス金利となる異例の状況が続いた。2025年に入るとインフレ率が2%...