政治経済

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金価格高騰が映す南アフリカ経済の希望と限界

序論2025年末の南アフリカ経済を巡っては、政府や国際機関が成長見通しを相次いで引き上げ、主要格付け会社S&Pは約20年ぶりに同国の外貨建て長期信用格付けを引き上げた。一方で金価格が4000ドル超まで急騰したことで、ヨハネスブルグに上場する...
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支出拡大しか残されていない日本

前提:政策パッケージと現状高市早苗首相の政府は約21.3兆円規模の景気刺激策を用意しており、エネルギー補助金や家計への現金給付など物価高対策に重点が置かれている。財源確保のため、国会で1.8兆ドル(約1180億ドル)規模の補正予算が採択され...
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予想外のCPI鈍化は転換点か

テーゼ:インフレ鈍化と利下げ期待米労働省労働統計局(BLS)が公表した11月の総合CPIは前年同月比2.7%上昇で、市場予想3.1%を大きく下回り、コアCPIも2.6%と予想より低かった。内訳では、食品・中古車・サービス・住居費など幅広い項...
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賃金は消え、資本は残る:労働者の実績が蓄積されない構造

問題設定一般的な職業世界では、「実績」といえば管理職経験や専門技術など個人の技能・経歴を指します。しかし資本主義的な生産関係では、労働者が作り出す製品・サービスは資本家の所有物であり、労働者自身には賃金という形でしか成果が還元されません。賃...
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失業率上昇は警鐘か錯覚か

はじめに2025年12月16日に発表された米国11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比6.4万人増と市場予想(5万人増)を上回り、10月の▲10.5万人から反発しました。しかし失業率は4.6%と9月の4.4%から上昇し、統計が開始され...
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資産バブルをどう抑えるか:マクロプルーデンシャル政策の役割

バブル抑制を目的としたマクロプルーデンシャル政策(以下、「マクロ政策」)は、金融システム全体に目を向けて資産価格の過熱や信用の過剰拡大を未然に抑えるための政策手段です。個別金融機関の健全性を重視する「ミクロプルーデンシャル政策」と異なり、シ...
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リーマンショック後の量的緩和と通貨希薄化

序論 – リーマンショックと未曾有の金融緩和2007〜2009年の世界金融危機は、リーマンブラザーズの破綻を契機に信用収縮が連鎖して「Great Recession」と呼ばれる不況に発展しました。米国では住宅市場の崩壊と金融機関の破綻が相互...
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新自由主義とマネタリズムの逆説:米国金融緩和の歴史的展開

新自由主義やマネタリズムは、1970年代半ばまで支配的だったケインズ主義を批判する形で登場した。ケインズ派は有効需要が不足すれば失業が生じると考え、財政政策や積極的な金融緩和で需要を支えるべきだと主張した。これに対しシカゴ学派を中心とするマ...
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日銀が最後の買い手となる構造:GPIFと国債市場の矛盾

背景長らく日本銀行(日銀)は量的緩和政策とイールドカーブ・コントロール(YCC)を通じて国債金利を歴史的な低水準に抑え、2020年代初頭には10年国債がほぼ0%、時にはマイナス金利となる異例の状況が続いた。2025年に入るとインフレ率が2%...
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ドル信仰の終焉と投資家の覚醒

長いあいだ投資家たちはドルを「世界の安全通貨」と考えてきた。米国は巨大な経済規模と透明な資本市場、法の支配による安定を背景に、危機のたびに資本を引き寄せ、海外の中央銀行も外貨準備の大半をドル建て資産で保有していた。この安心感こそがドル信仰の...