1. 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続き
二以上事業所勤務届の提出要否
2社とも社会保険の適用事業所であり、双方で被保険者資格取得の条件(役員報酬を受け取り加入要件を満たすこと)を満たす場合、本人による**「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」(一般に「二以上事業所勤務届」と略称されます)の提出が必要です。これは複数事業所で同時に社会保険に加入する際に必須の手続き**で、事実発生(複数の会社で社会保険加入要件を満たした時点)から10日以内に、主となる事業所(後述)の所在地を管轄する年金事務所または事務センターへ提出します。まず各社で個別に被保険者資格取得の手続きを行ったうえで、本人がこの届出を提出する段取りです。
この届出を提出することで、どちらを主たる事業所(選択事業所)とするかを明確にします。主たる事業所とは、複数の勤務先の中で社会保険事務を一括して取り扱う先のことです。主たる事業所に選択された会社の管轄機関(協会けんぽや健康保険組合、年金事務所)が窓口となり、二社分の報酬を合算して保険料計算や記録管理を行います。なお、主たる事業所の選択は通常、健康保険の種類や管轄によって決まります。たとえば、2社で加入している健康保険の種類が異なる場合(片方が協会けんぽでもう一方が健康保険組合等)、主たる事業所として選んだ側の保険者に統一されます。
健康保険証の扱いにも注意が必要です。二以上事業所勤務届を提出すると、主たる事業所側の健康保険証が新たに発行され、もう一方の会社の健康保険証は無効となります。したがって、提出前に従前の健康保険証は返却し、今後は主たる事業所から発行される1枚の健康保険証で医療給付等を受けることになります。これは二重加入を避け保険給付を一元化するための措置です。
保険料負担の按分方法と標準報酬月額の決定
二以上事業所勤務届を提出すると、日本年金機構(または健康保険組合)が2社から支払われる報酬月額を合算して社会保険料を算定します。具体的には、2社の月々の役員報酬額を合計した金額をもとに、その人の標準報酬月額を決定します。標準報酬月額とは健康保険・厚生年金保険料を計算する基準となる等級で、各都道府県(協会けんぽの場合)や加入健保組合で定められた保険料額表に当てはめられます。主たる事業所の所在地や加入する健康保険の種類に応じた等級表を使用し、合計報酬に見合う標準報酬月額等級を求める仕組みです。
こうして算出された**社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)**は、各事業所の報酬額の割合に応じて按分(分担)されます。たとえば、A社からの月額報酬が40万円、B社からが20万円で合計60万円の場合、割合はA社:B社 = 2:1となります。仮に合計報酬60万円に対応する月額保険料が仮に9万円だったとすると、A社がその2/3・6万円、B社が1/3・3万円の保険料負担という具合です。それぞれの会社は按分された金額を基に、従業員(役員)の給与から保険料の本人負担分を控除し、会社負担分と合わせて納付します。どちらの会社も負担割合に応じた額を支払うことで、合計として正しい保険料が納付されることになります。
以上の計算結果(決定した標準報酬月額および各社ごとの保険料負担額)は、主たる事業所管轄の年金事務所等から各会社へ通知されます。その通知に従い、各社は毎月の給与から該当する保険料を控除・納付します。二以上事業所勤務届を出さずに片方の会社で未加入のままでいることは避けねばなりません。万一一方の会社で未加入の状態が放置されると、後日発覚時に最大2年分の未納保険料を遡って徴収されるリスクや、法令違反としての罰則もあり得ます。必ず速やかに適切な手続きを取りましょう。
賞与・年1回の報酬がある場合の扱い
賞与(ボーナス)や年1回支給の特別な役員報酬についても、基本的な扱いは同様で、社会保険の二重加入者である限り一元的に計算・按分されます。ただし算定方法に若干の違いがあります。通常、賞与等の一時金に対する保険料は支給額ごとに料率を乗じて計算しますが、二以上事業所勤務者の場合で同じ月に複数の事業所から賞与が支給されるケースでは、その月に受けた賞与額を合算して保険料計算が行われます。つまり、例えば同じ月内にA社で賞与100万円、B社で賞与50万円を受け取った場合、合計150万円に対して健康保険・厚生年金の賞与保険料率を適用して算出された保険料を、各社の賞与支給割合(A社:B社 = 2:1)の按分で分担することになります。
実務的には、各社それぞれが賞与支払届を主たる事業所の管轄機関に提出し、その後に通知される決定内容に基づいて按分額を控除・納付します。ただし、賞与の場合は事前に合算保険料の通知が間に合わないため、各社が一旦規定どおりの保険料を控除し、後日届く通知に基づき調整を行うという流れになります。グループ会社など情報共有が可能な場合は事前に合算計算して正確に控除することもありますが、別法人では難しいことも多いため、後から従業員本人と調整する運用もやむを得ません。
一方で、賞与の支給時期が各社で異なる場合(例えばA社は6月、B社は12月に賞与支給)の場合、それぞれの賞与について別々に保険料計算と控除を行います。同じ月でなければ合算対象とはならず、各社ごとに通常の算定方法で保険料を計算して納付します。このため、賞与月がずれていれば特段の按分調整手続きは不要です。
なお、「年1回のみ支給される役員報酬」がある場合、その支給形態は実質的に年に一度の賞与と見なされます。社会保険上は、毎月の固定的給与とは別枠の臨時的な報酬として扱われ、支給月における賞与支払届によって保険料計算がなされます。年1回の支給額が多額であっても、それは定期の標準報酬月額の等級には直接影響せず(定時決定や随時改定の基準となる「基本給」ではないため)、支給された月に限り賞与として保険料が発生します。ただし、年1回しか報酬がない役員であっても、その月だけ社会保険に加入すれば良いというものではなく、在職中は通年で被保険者資格を維持します。月々の給与がゼロの月でも被保険者である限り社会保険料の納付義務は生じますが、実質的には標準報酬月額が最低等級にとどまるため、その間の保険料は最小限となり、年1回の報酬支給月にまとめて多めの保険料を納付する形になります。
2. 源泉所得税の扱い
甲欄・乙欄の区分方法(二か所から給与を受け取る場合)
所得税の源泉徴収では、給与を受け取る人が**「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しているか否かで、適用する税額表の欄が異なります。給与を支払う会社にこの申告書が提出されている場合、その給与は「甲欄」を適用して源泉徴収を行います。一方、申告書が提出されていない給与については「乙欄」**を適用します。 二か所から給与(役員報酬)を得ている場合、甲欄適用にできるのは一社のみです。つまり、どちらか一方の会社に扶養控除等申告書を提出し、その会社の給与に対して甲欄の税率で源泉徴収を行います。もう一方の会社では扶養控除等申告書を提出できないため、自動的に乙欄(控除対象扶養親族等が考慮されない税率区分)での源泉徴収となります。乙欄は甲欄に比べて税率が高めに設定されており、扶養家族などの人的控除を織り込まない分、源泉税額が多く引かれるのが特徴です。
具体例として、A社とB社の2社から給与を得ている場合、仮にA社に扶養控除等申告書を提出すればA社の給与は甲欄(甲税率)で源泉徴収され、B社の給与は扶養申告書無しのため乙欄(乙税率)で源泉徴収されます。逆にB社を主とするならB社が甲欄、A社が乙欄となります。複数の勤務先がある場合は必ず一社が甲、他は全て乙となる点を押さえておきましょう。乙欄では毎月の給与額に応じ一定の率で源泉徴収されるため、同じ給与額でも甲欄に比べ手取りが少なくなる場合があります。ただし、これは年末調整や確定申告で最終的に清算されます。
「主たる給与」と「従たる給与」の定義と実務判断
税法上、上記の「甲欄適用となる給与」が**「主たる給与」に該当します。つまり、扶養控除等申告書を提出している勤務先からの給与が主たる給与です。そしてそれ以外の全ての給与が「従たる給与」**となります。一般的な表現では、「主たる給与=その人のメインの収入源」、「従たる給与=副収入」といった位置づけです。
実務上、主たる給与をどちらにするかは本人の判断となります。二社から給与を得る場合、本人は年初(または就職時)に扶養控除等申告書を提出する勤務先を選びます。判断基準としては、通常金額が大きい方や生活の中心となる職務を担っている方を主たる給与の勤務先にするケースが多いです。主たる給与とした勤務先では、扶養親族の控除や基礎控除を考慮した源泉徴収が行われるため、年末調整もそこで受ける前提になります。また、扶養控除等申告書は同時に2社へ提出することは法律上禁止されています(二重提出は脱税行為となります)。仮に誤って両方に提出してしまうと、本来より源泉徴収額が不足することになり、後で大きな追徴課税を受ける可能性があります。したがって、必ず1社だけに扶養控除等申告書を提出し、他方では提出しない(=従たる給与扱い)という形にしなければなりません。
なお、「主たる給与」「従たる給与」という呼称は源泉徴収および年末調整上の区分であり、社会保険の主たる事業所とは概念が異なります。社会保険上は前述のように二重加入の場合に主たる事業所を決めますが、税務上は扶養申告書を提出した先=主たる給与の支払者となります。多くの場合は社会保険上の主たる事業所と同じ会社を税務上も主たる給与先とすることが考えられますが、必ずしも一致させる必要はありません(たとえば社保手続きの便宜でA社を主たる事業所にしたが、給与額はB社の方が高いので税務上はB社を主たる給与にする、といったケースも理論上はあり得ます)。重要なのは扶養控除等申告書を提出するのは一箇所だけという点です。
年末調整の実務:どちらで行うかと確定申告の要否
年末調整は、原則として**「主たる給与」を支払う会社でのみ行います。したがって、扶養控除等申告書を提出している方の会社が年末調整を担当し、その年のその会社からの給与所得について所得税額を精算します。一方、従たる給与しか支払っていない会社では年末調整は行いません。二か所以上から給与を受け取っている人は、年末調整が完了したとしても複数の給与を合算して税額を再計算する必要があるため、基本的に確定申告による精算が必要**です。
税法上、2ヶ所以上から給与を得ている給与所得者は原則として翌年の確定申告をしなければならないと定められています。これは、年末調整が一社分の給与についてしか行われず、複数収入を合計した本来の所得税額との差異が残るからです。例えば、A社で主たる給与500万円・年末調整済、B社で従たる給与300万円(源泉徴収済)という場合、年末調整時点ではA社500万円分についてしか控除等が反映されていません。しかし実際の課税所得は両社計800万円分となるため、その差額について税額を再計算し、不足税額があれば納付する(あるいは過納なら還付を受ける)必要があります。確定申告で2社分の源泉徴収票を合算し、年間の正しい所得税額を算出して納税(または還付)するのが原則です。
年末調整は主たる給与の会社で行われるため、従たる給与の会社から受け取った源泉徴収票は本人に交付されます。それを用いて翌年2月16日~3月15日の確定申告期間に給与所得者として確定申告書を提出し、2社分の所得と源泉税額を合計して最終的な税額を計算する手続きを踏むことになります。なお、仮に従たる給与分が20万円以下で申告不要の場合でも、敢えて確定申告することで還付を受けられるケースもあります。乙欄で源泉徴収された税額は概して本来より過剰になりやすいため、医療費控除やその他所得控除を含めて確定申告することで一部税金が戻ってくることがあります。複数給与がある場合はこれらも踏まえて検討すると良いでしょう。
まとめると、年末調整は主たる給与先で実施し、もう一方(従たる給与先)は年末調整なし、そして最終的な精算は確定申告で行う、という流れです。この手続きを経ることで初めて年間トータルの所得税が正しく計算され、公平な税負担となります。
3. 実務上の注意点や役員報酬設定の工夫
二重勤務時の実務上の注意点
二社で役員を兼務する状況では、社会保険・源泉税それぞれで手続きや計算が複雑になるため、以下の実務ポイントに注意が必要です:
- 情報連携と期限遵守:主たる事業所の決定と二以上事業所勤務届の提出は被保険者本人の義務ですが、実際には各社の人事担当者や社会保険労務士とも連携し、漏れなく進めることが重要です。届出の期限(10日以内)を守り、記入事項の不備がないよう注意しましょう。また、年金事務所から各社に通知される標準報酬月額や按分保険料額の情報を両社できちんと共有し、給与計算に正しく反映させることも大切です。とくにボーナス時の保険料調整については、後日の清算漏れがないよう本人と会社双方で管理すると良いでしょう。
- 健康保険証の取扱:先述のとおり、二重加入時は健康保険証が一元化されます。不要になった方の健康保険証は速やかに返却し、医療機関受診の際は新しい保険証を提示します。複数の保険証を誤って併用すると給付や請求に混乱が生じるため注意してください。
- 雇用保険等の他制度:社会保険以外にも、雇用保険や労災保険など複数勤務時の扱いが異なる制度があります(もっとも、代表取締役など役員は雇用保険の被保険者になりませんが、従業員の場合は雇用保険は生計を維持する主たる賃金を受ける会社のみ加入といったルールがあります)。自分が該当する他の公的制度についても、必要な手続きを確認しておきましょう。
- 税務上の届出:源泉税の甲欄・乙欄区分を適切に行うため、扶養控除等申告書を提出する会社を明確に決定します。また、従たる給与について扶養親族等申告書(「従たる給与についての扶養控除等申告書」)を提出できる特殊な条件もありますが、通常のケースでは提出不要です。基本は前述のとおり主たる一箇所のみ申告書提出と覚えておけば問題ありません。
標準報酬等級や負担軽減の観点からの役員報酬設定の工夫
二社から役員報酬を得る場合、トータルの社会保険料負担が大きくなる点に頭を悩ませる方もいるでしょう。社会保険料は会社負担分と本人負担分を合わせると給与額の約30%前後にも達するため、二重加入でダブルにかかるのは確かに負担です。これを少しでも軽減するため、役員報酬の配分や支給方法を工夫する余地があります。以下にいくつかの観点を紹介します:
- 報酬額配分の最適化:2社合計の報酬額が決まっている場合、その配分比率を調整することで社会保険料の等級区分に影響を与えられることがあります。標準報酬月額表は等級ごとに段階的な金額幅が設定されており、合算給与がある特定の境界を超えると保険料が大幅に上がるケースもあります。例えば合計報酬が58万円から60万円に増えると等級が一段階上がる、といった具合です。このような場合、敢えて片方の会社の報酬を抑えて合計額をその等級境界未満に収めることで、保険料上昇を抑えることが可能です。逆に、どのみち最高等級に達しているなら合計額を多少増やしても保険料は頭打ちとなるため、経営判断として報酬配分を見直すこともあります。いずれにせよ、2社合計で標準報酬等級がどう決まるかをシミュレーションし、無駄なく報酬設定するのがポイントです。
- 報酬支給形態の工夫(定期給与と賞与の組合せ):毎月の報酬額を高く設定すると、その分標準報酬月額等級が上がり年間を通じて毎月保険料負担が発生します。一方、賞与的な支給に回すと、月額の等級には反映されず賞与支給時だけ保険料を納める形になります。例えば年間報酬をできるだけ基本給(月額)ではなく年2回程度の賞与に振り分けることで、月々の社会保険料を低めに抑える効果が期待できます(賞与にも保険料はかかりますが、賞与は年3回まで各月ごと上限額が別枠になる等のメリットがあります)。もっとも、役員報酬の場合は税務上「定期同額給与」として毎月一定額で支給しないと損金算入(経費処理)が認められないため、頻繁な賞与は難しいですが、年1回の業績連動型報酬などルールに沿った範囲で導入すればこうした手段も可能です。社会保険料負担と会社の経費算入のバランスを考え、報酬支給タイミングを分散させるのも一つの策です。
- 片方の会社で報酬を出さない選択:極端な方法ですが、もし二社のうちどちらかで役員報酬をゼロにすれば、その会社では社会保険加入要件を満たさなくなり(二以上勤務の対象から外れる)、結果的に一社分の社会保険料負担で済むことになります。例えばB社では役員報酬を支払わず、A社のみから報酬を受け取る形にすれば、B社では厚生年金・健康保険への加入手続き自体不要となります(法人代表者でも報酬がなければ被用者保険の対象にはなりません)。その代わりB社の利益から配当等で還元を受けることになるかもしれません。この方法は確かに社会保険料負担は減りますが、役員報酬ゼロにすると法人税法上の利益処分や所得分配の面で別の検討事項が出てきますし、何より両社で安定した収入を得たい意向に反する可能性があります。実行には慎重な判断が必要ですが、負担軽減策として検討されることもあるという位置づけです。
- 加入健保の選択:2社間で健康保険組合と協会けんぽなど異なる保険制度に属している場合、主たる事業所を保険料率の低い方に合わせることで、全体の健康保険料率を抑えられるケースがあります。協会けんぽの健康保険料率は都道府県によっても異なりますし、組合健保には独自に保険料率を低く設定しているところもあります。主たる事業所の選択には保険者の種類も関係するため自由には決められませんが、もし選択の余地があるならトータル負担が軽くなる方を主とするのも一案です。ただし、給付内容の差や会社ごとの福利厚生制度との兼ね合いもありますので、単純に料率だけで判断せず総合的に検討しましょう。
以上のように、二社兼務役員の報酬設定には社会保険・税務の両面から戦略が必要です。社会保険料の計算式や税金の仕組みを正しく理解し、合法的かつ合理的な範囲で負担をコントロールすることが求められます。その際には専門家(税理士・社労士)にも相談し、自社の経営状況と役員個人のライフプランに即した最適解を見出すと良いでしょう。
まとめ(要約)
- 社会保険の二重加入手続き:2社とも社保適用で役員報酬を受ける場合、本人が**「二以上事業所勤務届」を提出し主たる事業所を決定します。2社の給与合計に基づき標準報酬月額を算定し、保険料は給与割合で各社に按分負担**されます。健康保険証は主たる事業所側に一本化され、未届出の場合は遡及徴収などリスクがあるため要注意です。賞与についても、同月なら合算計算・按分、支給月が異なれば個別計算で保険料を徴収します。
- 源泉所得税の処理(二か所給与):複数の給与がある場合、扶養控除等申告書を提出した1社が「甲欄」(主たる給与)扱いとなり、他社は**「乙欄」**(従たる給与)で源泉徴収されます。主たる給与先のみ年末調整を行い、従たる給与分は年末調整されません。原則として確定申告が必要であり、2社分の所得を合算して税額を精算します。最終的に確定申告で全収入について正しい所得税額を納めることになります。
- 実務上のポイントと報酬設定の工夫:二社兼務では社保・税務手続きが煩雑になるため、会社間の情報共有と期日管理を徹底し、届出漏れや計算間違いを防ぎます。役員報酬の設定にあたっては、標準報酬等級の境目を意識した配分調整や、賞与払いの活用による月額保険料の抑制、さらには一方の会社で報酬を支払わない選択肢など、社会保険料負担を考慮した戦略が考えられます。ただし、これらの方法には税法上・経営上の影響もあるため、総合的判断のもと最適なバランスを図ることが大切です。複数事業所勤務に伴う手続きを正しく行いながら、制度を理解したうえで賢く負担をコントロールしましょう。
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