上昇と崩落の狭間にある市場

テーゼ(肯定的な見方)

  • 継続する上昇トレンドと勝機:金、米国株、日本株において、2024年末から2025年にかけて上昇トレンドが続き、「押し目買い」「短期モメンタム投資」が有効という立場がある。特に米AI主要銘柄の復調や、高市政権による安全保障型成長戦略などが、株式市場を下支えしている。
  • 構造的な支援要因:米金利低下、ドル安、地政学的リスク、反米勢力による金購入、円安などが金・株式双方の追い風になっているため、押し目はチャンスと考えられる。日経平均は5万円手前まで上昇し、投資家心理は強気に傾きがちである。

アンチテーゼ(否定的な見方)

  • フロス(泡)の蓄積:金急騰と大幅乖離、米AI株の跛行、日経平均の異常な上昇など、各市場に小さなバブルが頻発している。相場が急激に高まり過ぎると、新規資金が枯渇し、短期筋の売り逃げが連鎖する危険が大きくなる。
  • バブル予測の困難さ:相場がバブル化しているかどうかは事前に判断が難しく、崩壊のタイミングは予測不能。上昇を正当化する情報に溢れる一方で、下落のシグナルは目立たないため、多くの投資家が転換点を見誤る可能性が高い。
  • リスク管理の重要性:米AI株は上げ下げが激しく、金ETFは基準価額から乖離、日経平均はわずか数銘柄に依存。政策変更や利上げ、世界情勢の悪化が一気にセンチメントを逆転させるリスクがある。

ジンテーゼ(統合的な見方)

  • “疑いながらも乗る”という姿勢:上昇トレンドに乗りつつも、相場がフロス化していることを自覚する。投資家は自分の時間軸とリスク許容度を明確にし、ポジションサイズの管理やヘッジ策を徹底する必要がある。
  • 波動的視点と柔軟性:相場には長短の波があり、フラクタルに似た形を取る。短期的なモメンタムを追うか、中長期で分散して保有するか、あるいは現金比率を高めて観察するか、自身のスタイルに応じた構え方が求められる。
  • 情報の偏りへの警戒:上昇時は上昇を正当化するニュース、下落時は悲観的な情報が増える傾向がある。こうした偏りを前提に、テクニカル面(移動平均乖離、騰落率)とファンダメンタルズ(政策・金利・企業業績)を分けて冷静に評価する姿勢が不可欠である。

要約

金・日米株は2024年末から2025年にかけて上昇基調にあるが、金相場の過熱やAI株の跛行、日経平均の偏重上昇など各市場に“小さな泡”が生じている。バブルの有無や崩壊の時期は予測不能であり、押し目買いは有効でも過信は禁物だ。疑いの目で相場を観察し、波動的な動きに合わせてポジションを調整するなど、リスク管理と柔軟な投資姿勢が求められる。

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