ヨーロッパとは、ウラル山脈以西、カフカス山脈以北、ボスフォラス海峡以西を指す。陸続きで自然豊かな肥沃な土地であったため、古来より国家間の争いの舞台となる。今回は、ヨーロッパの平和について考えたい。
確かに、2023年現在、ロシアがウクライナに侵攻中である。政治的には、自由主義の波及による独裁制の崩壊を防ぐべく防波堤を守るためであり、背景には自由主義と独裁主義の政治的理念の対立がある。経済的には、不凍港を獲得するためである。、近代のヨーロッパではドイツとフランスがアルザス・ロレーヌ地方の地下資源を巡って争った。普仏戦争は民主主義国家同士が起こした唯一の戦争であり。経済事情は国家の存立に致命的な主題なのである。
しかし、現代において、政治的、経済的な対立を克服するため、EU(欧州連合)の存在がある。アルザス・ロレーヌ地方の石炭鉄鋼が欧州の火種となったことから、石炭鉄鋼の共同管理を実現するため、1952年ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が設立される。ECSCはECC(欧州経済共同体)、EURATOM(欧州原子力共同体)、EC(欧州共同体)と発展し、EUに至る。ここに、自由主義陣営の欧州における政治的経済的な結びつきは強固となる。
一方、自由主義とロシア及びベラルーシからなる旧共産圏との政治的な対立は未だ残る。両国の政治体制はモンゴル帝国の残滓から、伝統的に独裁制である。独裁制の打破には、市民の蜂起が友好だ。ベルリンの壁崩壊も東ドイツ市民のデモが契機となる。ロシアを民主化するためには、隣国を自由主義陣営に巻き込み、ロシア国民の流出や自由主義の文化面での流入を促すべきだ。そこで、ウクライナはNATOへの加盟を目指している。
よって、欧州の平和はEUの設立をもって道半ばとする。ロシアとベラルーシが民主化されることで欧州に真の平和が訪れる。科学技術の発達、具体的にはスマートフォンの普及により情報の民主化が実現した現在においては、独裁国家の市民が決起し体制が崩壊するのは自明である。一方、軟着陸を目指すために、米国を中心とした自由主義陣営は、ウクライナ侵攻を始め、ロシア案件については細心の注意を払い協力しなければならない。
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