資本統制(キャピタル・コントロール)とは、政府や中央銀行が国内の金融システムを守るためにお金の流れ(資本の移動)に制限をかける政策を指します。コトバンクの共同通信ニュース用語解説によれば、資本規制とは政府や中央銀行が資金の流れを規制する措置で、銀行破綻を防ぐための預金引き出し制限や、海外への資本流出を防ぐための海外送金・外国為替取引の制限などを含む。同じ解説では、2013年に財政危機に陥ったキプロスで銀行の臨時休業や預金引き出し・企業の海外送金に上限を設ける資本規制が実施されたことが紹介されています。
三井住友DSアセットマネジメントの用語集でも、資本規制は「経済危機に見舞われた国の政府が急激な資本流出を防ぐため発動する規制措置」と説明しており、銀行からの預金引き出しや海外送金を制限することが例示されています。野村證券の用語解説も同様に、資本規制は急激な資金流出を防ぐ緊急措置であり、銀行からの預金引き出しや海外への送金を制限する資本取引規制だと述べています。
英語圏の説明では、資本統制は取引税や取引限度、禁止などの居住者に基づく規制であり、政府が資本市場から自国の資本勘定への資金の流入や流出を管理するために用いるとされています。これらは経済全体に適用される場合もあれば、金融セクターや特定の産業などに絞られる場合もあり、負債・株式・直接投資など資本の種類や短期か長期かによって区別されることもあります。具体的な手段としては、為替取引の制限、国際的な資産売買の上限設定、通貨交換に対するトービン税のような取引税、最低保有期間の設定、当局の承認義務付け、国外へ持ち出せる資金の上限などが挙げられます。
要するに、資本統制は金融危機時に資本逃避や流入の急増を抑え、通貨・金融システムの安定を維持するための緊急的な規制であり、銀行の預金引き出し制限や海外送金規制といった直接的な措置を含むことが特徴です。
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