Ken Kurahashi

政治経済

財政金融両面でのMake America Great Again(MAGA)

序論 – MAGAの背景と理念MAGA運動は、2016年大統領選挙で生まれたナショナリズム的な政治運動であり、「かつて偉大だった米国が外国の影響(移民や多文化主義、グローバル化)によって衰退した」とする認識に基づく。運動の支持者はこの衰退を...
政治経済

2026年の中間選挙まで米国市場は堅調か

序論 – 背景と問題意識米国の2026年中間選挙は現地時間で11月3日予定である。トランプ氏は2018年11月6日の中間選挙で共和党が下院を失い、「ねじれ議会」が生まれた結果、政策が停滞し、2020年の再選も失敗した。現在(2025年)トラ...
税務会計

事業税における付加価値割、資本割、収入割が課される法人の規模

法人事業税は①所得割(所得に対する課税)と②収入割・③付加価値割・④資本割という外形基準の部分に分かれています。付加価値割と資本割は「外形標準課税」と呼ばれ、対象とする法人の範囲が法律で決められています。付加価値割・資本割(外形標準課税)の...
政治経済

次期FRB議長を巡る金融緩和とインフレ懸念:政治介入と制度的独立性の弁証法

論題は、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が「トランプ政権がジェローム・パウエルFRB議長の後任に忠実な人物を据え、過度な緩和によってインフレを引き起こす」と述べたことに関するものである。以下ではその主張と反論、そして両者...
政治経済

米国の貿易赤字を減らす方法を弁証法的に論じる(2025年9月時点の最新情報に基づく)

最新の状況貿易赤字の規模 – 米国商務省の統計によれば、2025年7月の財・サービスの貿易赤字は 7,830億ドルで、前月より約190億ドル拡大しました。2024年同月と比べた3か月平均では赤字が62億ドル減った一方、同年1–7月の累積赤字...
政治経済

米政府閉鎖と恒久的解雇を巡る弁証法的考察

正:政府による閉鎖と恒久的な解雇を正当化する論理政府側のテーゼは「財政規律と行政の再編」です。行政管理予算局(OMB)が各省庁に送ったメモは、裁量予算が10月1日に失効するプログラムや「大統領の優先事項と一致しない」事業を特定し、資金の途切...
政治経済

中央銀行の金購入と量的緩和

1970年代から2000年代にかけて、先進国の中央銀行は金準備を減らしていましたが、2008年のリーマンショックを境に新興国を中心に金準備を積み増す流れが始まりました。リーマンショック後には、量的緩和によるドルの希薄化により金を外貨準備の一...
投資

中央銀行の金購入量の推移(1971–2025年)

背景金本位制の終焉と売り越し時代:1971年に米国がドルと金の交換を停止したことで金の貨幣的役割が失われ、主要中央銀行は1970年代から2000年頃まで金準備の売却を進めた。OMFIFはこの期間を「脱貨幣化期(1973–98年)と販売期(1...
政治経済

重商主義における「重金主義」と「貿易差額主義」の弁証法的考察

はじめに16〜18世紀のヨーロッパで国富と国家力を高めるために採用された重商主義は、政策の一貫性というよりもさまざまな施策の集合体であった。西欧の国家は「国家の繁栄=国庫の増加」と考え、経済を統制して貴金属と財貨を集めようとした。この思想の...
政治経済

イギリスの外貨準備に占める金の割合の低さと金本位制からの撤退の関係―弁証法的検討

背景:イギリスの金準備と外貨準備の現状イギリスの外貨準備は、財務省の外為平衡勘定(Exchange Equalisation Account, EEA)とイングランド銀行(BoE)の外国通貨準備から構成される。両者は毎月公表される国際準備統...