政治経済

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米国の国債利払い費がスイス経済に匹敵する規模に — 防衛費・メディケアを超えた“見えない国家支出”

米国の財政年度(FY)2024年に、連邦政府が国債の利払いとして支出した「ネット利子」は約8,800億ドルに達しました。米政府の支出全体の約13%を占め、メディケア(約8,741億ドル)や国防費(約8,735億ドル)を上回り、社会保障に次ぐ...
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新自由主義 ― マネタリズムとサプライサイド経済学の統合と矛盾

新自由主義が隆盛するきっかけは1970年代のスタグフレーションだった。戦後のケインズ主義は財政支出と金融緩和を組み合わせることで失業とインフレの安定を狙ったが、二桁インフレと不況(スタグフレーション)には対応できなかった。その結果、米英の政...
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利下げ期待と割高相場の交錯——政策主導から多極化へ向かう2025年秋の市場構造

テーゼ(命題):金融緩和と業績好調で続く米株の強気相場2025年10月第4週の米国市場では、9月の消費者物価指数が予想を下回り、政府閉鎖で統計発表が止まる中でもインフレへの懸念がやや後退しました。FRBは10月下旬のFOMCで 0.25%の...
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制度の金と生活の銀

テーゼ:金本位制と金貨の神話一般に「金本位制」と聞くと、金貨が広く流通し、国家が金に裏打ちされた通貨制度を確立していたと考えられがちです。多くの歴史書や経済学の教科書では、金を国際金融秩序の基盤とし、金貨が通貨として利用されていたかのように...
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信用不安の拡大と市場の二重構造

主題の背景と問題提起2007〜2008年の金融危機の前兆(サブプライム関連の損失、ヘッジファンドや欧州銀行の破綻、ノーザン・ロック取り付け騒ぎなど)が軽視され、やがて暴落につながった。その上で、2025年時点でもトライカラー(米サブプライム...
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BRICS決済システム

序論BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)に、エジプトやサウジアラビア、イランなどを加えた拡大BRICSは、人口で世界の約45%、購買力ベースGDPでは36〜45%を占める新興大国の集合体である。西側が主導するSWIFTネ...
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中央銀行の金買い越しが示す「ドル信認低下」と「多極化する国際通貨体制」

このグラフは、中央銀行による金の純購入量と金価格の推移を示し、長期的なゴールド購入スパイクの終盤が描かれています。弁証法的な観点で考察すると、以下のような議論が可能です。定説(テーゼ)過去数十年にわたるデータを見ると、中央銀行は長期にわたっ...
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サマーズ氏の懸念とトランプ政権のアルゼンチン救済

テーゼ(正) – トランプ政権支援の妥当性金融安定への寄与:ラリー・サマーズ氏は、米国は流動性危機に直面する国々への対応で主導的役割を果たすべきだと述べている。アルゼンチンは財政黒字化を達成したものの外貨準備が枯渇しつつあり、外国債務の支払...
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インド「金銀連動通貨」報道の真相――実際は金準備拡大とデジタル・ルピー試験運用

インドが「金銀で裏付けした通貨」を導入したという報道は、2025年秋ごろからソーシャルメディアや一部の陰謀サイトで拡散されました。しかし、公式発表や主要メディアの記事を確認すると、これらは事実ではありません。米ドル離れの動きなどを背景に「金...
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1ドル=360円時代と輸入品高騰

戦後インフレの収束と経済再建を目的として、1949年2月に「ドッジ・ライン」と呼ばれる政策パッケージが採用された。公定歩合引き上げや政府支出の大幅削減、日銀による国債引き受けの禁止などに加えて、1ドル=360円という単一固定相場が設定され、...