万元戸

用語

**万元戸(まんげんこ)**とは、かつて中国で使われた言葉で、年間所得が1万元(10,000元)を超える農家を指します。これは主に1970年代末から1980年代にかけての改革開放政策の初期に登場した概念です。

背景

  • 1978年、中国は改革開放政策を開始し、農業の生産責任制(家庭連産責任制)を導入。これにより、農民は生産した農作物の一部を市場で自由に販売できるようになり、経済的なインセンティブが生まれた。
  • それまでの計画経済下では、農民の収入は集団経済(人民公社)の分配によるもので、個人の収入は低かった。
  • 政策改革により、商業作物の栽培や副業(家畜の飼育、商売など)を行うことで高収入を得る農家が増加し、その中で年間所得が1万元を超える家庭が現れた。

万元戸の意義

  1. 豊かな農村の象徴
    • それまでの農村経済では、農家の所得は低く、多くの家庭が貧困状態にあった。万元戸の出現は、農村経済の活性化と生活水準の向上を象徴するものだった。
  2. 改革開放の成功の証
    • 万元戸の増加は、中国の市場経済導入と生産責任制の成功を示すものとして評価された。
  3. 地域間格差の拡大
    • 万元戸は主に沿海部や経済発展の進んだ地域(浙江省、広東省、江蘇省など)に多く見られ、内陸部や貧しい地域との格差が顕著になった。

現代の視点

  • 1980年代には「万元戸」は裕福な家庭の象徴だったが、現在では1万元の所得はそれほど高くない。2020年代の中国では、「億元戸」(年間所得1億元以上)など、新たな富裕層の概念が登場している。
  • ただし、万元戸は中国の経済発展の歴史の中で重要な転換点を示しており、改革開放の象徴的な存在として記憶されている。

まとめ

項目内容
意味年間所得が1万元を超える農家
登場時期1970年代末~1980年代
背景改革開放政策、農業の生産責任制の導入
象徴するもの農村の経済成長、生活水準の向上
主な地域浙江省、広東省、江蘇省など沿海部
現代との比較現在では1万元は高所得とは言えず、「億元戸」など新たな富裕層概念が登場

かつての万元戸の出現は、中国の農村経済の変革と市場経済への移行の象徴でしたが、現代ではさらに大きな富の格差が生まれ、新たな経済層が形成されています。

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