中央銀行による金保有量と全採掘済み金量に対する割合

1. 採掘済み金全体に占める中央銀行の保有割合

これまでに採掘された金(いわゆる地上在庫)は約21.6万トン。そのうち各国中央銀行が外貨準備として保有している金は約3.8万トンであり、**全体の約17%**に相当する。残りは宝飾品、民間投資(金地金、金ETFなど)、工業用途などに分散している。

2. 主要国の金保有量(トン、全採掘量に対する比率付き)

  • アメリカ合衆国:約8,133トン(全体の約3.8%)
  • ドイツ:約3,352トン(約1.6%)
  • イタリア:約2,452トン(約1.1%)
  • フランス:約2,437トン(約1.1%)
  • ロシア:約2,336トン(約1.1%)
  • 中国:約2,264トン(約1.0%)
  • スイス:約1,040トン(約0.5%)
  • 日本:約846トン(約0.4%)
  • インド:約841トン(約0.4%)

主要9か国で保有される金だけで全世界の公的金準備の大部分を占めている。

3. 外貨準備における金の構成比率(国別の目安)

  • アメリカ:約72%
  • ドイツ:約71%
  • フランス:約70%
  • イタリア:約68%
  • ロシア:約30%
  • インド:約10%
  • 中国・日本:それぞれ約5%前後

欧米先進国は金の構成比率が高く、外貨準備における「信用担保」としての役割を重視している。一方、新興国では金の比率はまだ低いが、地政学的リスク対応やドル依存脱却の一環として金の比重を高める傾向にある。


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