米利下げ転換のリスクとドル衰退の始まり―レイ・ダリオが警告する金融政策の分岐点

この記事は、Bridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が2025年5月22日に語った、アメリカの金融政策とドルの価値に関する見解をまとめたものです。

アメリカのインフレ率は2.3%まで低下し、政策金利（4.25%）との差が広がっています。しかし、ダリオ氏は「不確実性が多く、バランスを取るのが難しい状況だ」と述べ、現時点での利下げは適切でないと指摘しています。

現FRB議長のパウエル氏の任期は来年5月で終了予定であり、トランプ大統領は新たな議長を選ぶ意向を示しています。ダリオ氏は、新議長がハト派である可能性が高く、金融緩和に傾くと予想しています。

ダリオ氏は、過度な利下げが長期金利の上昇を招き、米国債のリターンを減少させると懸念しています。その結果、FRBが国債市場に介入し、通貨の価値が下がる可能性があると警告しています。

現在、長期金利の上昇とともにドルが下落し、金価格が上昇しています。これは、投資家が米国債からゴールドへと資金を移していることを示しており、ドルの価値が問題視されていると分析されています。

ダリオ氏は、アメリカの金融政策が今後変化し、ドルの下落が加速する可能性があると予測しています。これは、彼の著書『世界秩序の変化に対処するための原則』で述べられている、アメリカとドルの長期的な衰退シナリオの一部であり、今後の市場動向に注目が必要です。