実物資産とは

実物資産(じつぶつしさん、Real Assets)とは、

株式や債券などの金融資産と対比して使われる言葉であり、具体的な形を持つ資産のことを指します。実際に物理的な存在や実体があり、価値が具体的な物品や不動産などとして存在するものを意味します。

実物資産の主な例

  • 不動産
    • 土地、住宅、オフィスビル、商業施設、倉庫など
  • 貴金属
    • 金、銀、プラチナ、パラジウムなど
  • 天然資源・コモディティ
    • 原油、天然ガス、石炭、農産物(穀物やコーヒー、大豆など)など
  • インフラ資産
    • 道路、橋梁、発電所、空港、港湾など
  • その他有形資産
    • 美術品、宝飾品、高級時計、自動車などのコレクターズアイテム

実物資産の特徴

  • インフレヘッジ機能
    • 一般的にインフレに伴い価値が上昇しやすく、通貨価値の低下から資産を守る効果があります。
  • 価値の安定性
    • 物理的な存在を持つため、金融市場の乱高下の影響を受けにくく、価値の安定性が比較的高いとされます。
  • 収益源の多様化
    • 金融資産とは異なる動きをするため、ポートフォリオの分散効果が期待できます。

金融資産との違い

項目実物資産金融資産(株式・債券など)
存在形態有形の物理的な資産無形の権利や証券
価値の源泉実体的な利用価値・希少性などキャッシュフローや収益の権利
流動性比較的低いものが多い比較的高い
価格変動景気・インフレ等の実体経済要因が強い金利・企業業績・市場心理の影響を強く受ける

投資対象としての実物資産の利点・欠点

利点

  • インフレ対策に優れる
  • 景気後退期でも一定の価値を保ちやすい
  • 資産の分散によるリスク低減が可能

欠点

  • 管理や維持費用がかかる場合が多い(例:不動産の維持管理費)
  • 流動性が低く、すぐに換金できないことがある
  • 金融資産と比べて保管や管理に手間がかかる(例:金、美術品)

まとめると、
実物資産は「形ある物理的な資産」であり、特にインフレや金融危機時に資産価値を守る目的で投資家に選好される傾向があります。金融資産とのバランスを考えてポートフォリオを組むことで、より安定的な資産運用が可能になると考えられています。

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