「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、アセットマネジメントOne(みずほFGグループ)の運用する追加型投信(国内・外国株式型)です。設定日は2020年7月20日で、愛称は「未来の世界(ESG)」です。主に世界の上場株式に投資して信託財産の成長をめざすことを目的としており(信託期間は2050年7月14日まで)、日本や新興国を含むグローバル株式に分散投資します。運用形態はファミリーファンド方式で、実質的に「グローバルESGハイクオリティ成長株式マザーファンド」を通じて投資します。分配金の実績は2021年以降いずれも0円(全額再投資)で、NISA(成長投資枠)での積立も可能です。
運用方針とESG投資の特徴
ポートフォリオ構築にあたっては、企業の競争優位性や成長性、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みなどを評価し、「質の高い成長企業」と判断した銘柄を厳選します。具体的には、運用チーム(モルガン・スタンレー・インベストメントなどが担当)による投資アイデアの分析・評価に基づき、理論株価(内在価値)に対して割安と判断される銘柄に投資します。また「積極的なESG課題への取り組み」を重視し、企業のESG評価が高く持続的成長が期待できる銘柄に注目します。母ファンド資産のうち少なくとも90%以上を、ESGを主要要素として選定する銘柄に投じることを目標としています。なお、投資対象には酒・たばこ・ギャンブル・武器・化石燃料関連など特定の業種を排除することも想定されています(投資制限)。
主な投資先(国・地域・業種・銘柄)
投資先は米国を中心とする世界株式で、上位銘柄の多くが米国企業です。2025年5月末時点の組入上位10銘柄と構成比率は次のとおりです:サービスナウ(米国、情報技術)8.1%、シュナイダーエレクトリック(仏、資本財・サービス)7.5%、ウーバー・テクノロジーズ(米、資本財・サービス)7.5%、スポティファイ・テクノロジー(ルクセンブルク/登録上スウェーデン、通信サービス)6.6%、メルカドリブレ(米、一般消費財・サービス)6.6%、メタ・プラットフォームズ(米、通信サービス)6.5%、HDFC銀行(インド、金融)6.4%、Visa(米、金融)5.0%、アマゾン・ドット・コム(米、一般消費財・サービス)4.5%、ASMLホールディング(蘭、情報技術)4.4%。これらにより、情報技術・資本財・消費関連・金融・通信サービスなどの業種が中心になります。全体の組入銘柄数は23社程度で、米国株が最も高い比率を占めています(米国株式中心、次いで欧州・インド等)。日本株の割合は小さく、主要銘柄には含まれていません。
過去の運用実績
2020年設定以降、世界株式市場の動向に合わせて基準価額が変動しています。設定来の基準価額は約2倍(設定当初10,000円→2025年9月12日で19,908円)となり、3年で+約84%、5年(設定来)で+約93%の上昇となっています(いずれも信託報酬控除後)。基準価額は2022年6月に8,659円まで下落したものの、2025年2月には最高値20,303円を記録するなど、その後大幅に回復・上昇しましたrakuten-sec.co.jpam-one.co.jp。直近1年のトータルリターンも約+18%前後と、同カテゴリの平均をやや上回る推移です。一方で、2021~22年は米国株高騰~調整の影響で変動が大きく、2022年上期には年初から6ヵ月で約-26%下落する場面もありました。過去の実績はあくまで参考であり、将来の成績を保証するものではありません。
費用・コスト構造
購入時には販売会社による申込手数料(上限3.30%・税込)がかかる場合があります(取扱店により異なる)。保有期間中の信託報酬(運用管理費用)は年率1.848%(税込)で、うち運用会社取分1.10%、販売会社取分0.715%、受託会社取分0.033%ですrakuten-sec.co.jp。信託財産留保額(換金時手数料)は設定されていません。高い信託報酬率のため、同種のパッシブ運用商品などに比べてコスト負担は大きくなります。
為替ヘッジの有無と影響
本ファンドは「為替ヘッジなし」を標榜しており、実質的に投資する外貨建資産について為替予約等を行いませんrakuten-sec.co.jpam-one.co.jp。つまり、投資対象国の通貨が円に対して変動した場合、その影響を受けて基準価額が変動します。たとえば米ドル建資産が多いため、円安(ドル高)になれば円換算の運用益が膨らみ、逆に円高(ドル安)になると円換算基準価額が下落します。為替リスクを許容した上で、外国株のリターンをそのまま享受する運用スタイルです。
主なリスク
- 株価変動リスク:世界株式市場や投資先企業の業績変化等により、組入株式の価格は大きく変動しうるため、基準価額の下落要因となります。また、グローバル成長株に集中するため市場全体と異なる動きをすることもあります。
- 為替変動リスク:外貨建資産が多いため、円相場の変動が円換算価値に影響します。円高局面では基準価額が下落する可能性がありますam-one.co.jp。
- 流動性リスク:組入銘柄の中には時価総額や取引量の少ない株式が含まれる可能性があり、市場環境次第では希望する価格で売買できず、価額が想定以上に変動することがありますam-one.co.jp。
- カントリー/新興国リスク:政治・経済・規制などの変化で株価や為替が大きく動く場合があります。新興国株も含むため、新興市場の不安定さが投資に影響する可能性がありますam-one.co.jp。
- 信用リスク:企業の財務悪化・信用不安等が生じると株価が下落する可能性があります。
いずれも投資元本を保証するものではなく、これらのリスク要因により元本割れする可能性があります。
投資対象としての位置づけ
このファンドは、長期成長志向かつ高いリスク許容度を持つ投資家に向いています。高い信託報酬を負担してでも、世界のハイクオリティ成長株にESG要素を加味して積極的に投資したい投資家に適しています。具体的には、グローバル株式市場の中で環境・社会・ガバナンスへの配慮を重視しながらキャピタルゲインをねらいたい方、および米ドルや他通貨の為替変動リスクを許容できる方が対象となります。逆に、低コスト重視で受動的投資を行いたい、短期的な安定や流動性重視の投資家には不向きです。また、新興国投資や通貨リスクを避けたい場合も適しません。リスク・リターン共に高い戦略のため、投資判断には市場動向や資産配分などの情報収集が欠かせません。
要点のまとめ
- 設定日・運用会社:2020年7月20日設定、アセットマネジメントOne運用のグローバル株式ファンド(愛称「未来の世界(ESG)」)。
- 投資対象・方針:国内外の上場株式を対象に、企業の成長力・競争優位性・ESG評価などから「高品質と判断される成長株」を選別し、割安銘柄に投資。母ファンド資産の90%以上をESG重視銘柄とすることを目標。為替ヘッジは行わない。
- 主な投資先:米国株が中心で、情報技術・消費関連・金融など多様な業種に投資。組入上位10銘柄例(2025年5月末時点):サービスナウ(米)、シュナイダーエレクトリック(仏)、ウーバー(米)、スポティファイ(LU)など。
- 運用実績:設定来で基準価額は約2倍(設定来+約99%)、3年で+約84%(信託報酬控除後)。2025年2月に20,303円の最高値を記録。2022年に大幅下落したがその後回復。直近1年の上昇率は20%前後。
- コスト:信託報酬は年1.848%(税込、運用会社1.10%+販売会社0.715%+受託会社0.033%)rakuten-sec.co.jp、販売手数料上限3.30%。信託財産留保額はなし。高い費用負担を伴う。
- 為替ヘッジ:原則「ヘッジなし」のため、円・外貨の為替変動リスクを投資家が負う。円安進行時に有利、円高時に不利。
- リスク:株式市場変動リスク、為替変動リスク、流動性リスク、カントリー・新興国リスクなどがある。元本保証はなく、基準価額は上下する。
- 適する投資家:長期的な成長重視でリスク許容度が高く、ESG配慮を組み込んだグローバル成長株投資を行いたい投資家向き。手数料負担・相場変動に耐えうる体力のある方に適する。一方、低コスト運用や短期運用を望む層には不向き。
引用
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000KAH8グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(未来の世界(ESG))|ファンド情報|アセットマネジメントOnehttps://www.am-one.co.jp/fund/summary/313588/グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | 投資信託 | 楽天証券https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000KAH8グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | 投資信託 | 楽天証券https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000KAH8組入上位銘柄のご紹介https://www.am-one.co.jp/pdf/report/15445/250623_313588_fundts.pdf組入上位銘柄のご紹介https://www.am-one.co.jp/pdf/report/15445/250623_313588_fundts.pdf組入上位銘柄のご紹介https://www.am-one.co.jp/pdf/report/15445/250623_313588_fundts.pdf
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