インフレとコモディティ市場
ジェフリー・ガンドラック氏(DoubleLine Capital創業者)は、自身の動画で米国のインフレと商品市場について言及しました。米国のインフレ率が約2%に抑えられてきた背景には、エネルギー資源や金属、農作物などのコモディティ価格がほとんど動いていないことがあると指摘しています。例えば原油価格はむしろ下落傾向にあり、このまま低い水準が続けばインフレ抑制要因になりますが、逆に原油価格が上昇すれば今後のインフレを大きく押し上げる可能性があります。
金価格の高騰
ガンドラック氏は数年前に金の買いを推奨しており、その後金価格は約2倍に上昇しました。彼は以前に金が3000ドルまで上昇するとの予想を的中させており、さらに4000ドルまで達すると宣言しています。実際に金価格は上昇を続けており、この水準に徐々に近づいています。金価格の上昇要因としては、特に海外の中央銀行が外貨準備でドル保有比率を下げ、金保有を増やしている動きがあります。
- 買い推奨から2倍上昇:数年前に買い推奨されて以来、金価格は約2倍に高騰。
- 目標4000ドル:これまでに3000ドル到達を的中させ、現在は4000ドル目標を宣言。
ゴールドとビットコインの比較
金(ゴールド)と同様に注目されているのが仮想通貨ビットコインです。ガンドラック氏によれば、金利上昇によって米国債の利払い負担が急増し、米国債務問題への懸念が強まっています。その結果、米ドルや米国債から金、さらにはビットコインなどの資産に資金が移動しています。今年に入りビットコインは約19%上昇しており堅調なパフォーマンスを示していますが、驚くべきことに金の上昇率はビットコインの約2倍に達しています。一般的にはビットコインの方が値動きが激しいと考えられてきましたが、実際には今年の上昇率では金がビットコインを上回っています。
- 金 vs ビットコイン:ビットコインは年初来+19%だが、金の上昇率はそれを上回る。
- 投資家心理:この結果から、金は多くの人にとってより安定的で「永久的な投資先」として定着してきたように見えると氏は分析しています。
ゴールドの売却時期
ではガンドラック氏はいつ金を売るのか。その答えは、「米国の政府債務状況や資金流出のトレンドが根本的に変わるまでは金を保有し続ける」というものです。現在の状況は米国にとって不利なものであり、この傾向は今後数年にわたって続くと彼は見ています。つまり、米国の債務問題やドル離れが解決されるまでは金の売却を急ぐべきではないと結論づけています。
- 保有継続の条件:米国の債務問題や資本流出の状況が一変しない限り、金を手放さない。
- 長期トレンド:現状は米国に不利な流れであり、この傾向は数年続く見込み。
まとめ
ガンドラック氏の見解を整理すると、現在の米インフレは商品価格の安定で抑えられているものの、今後の原油価格次第で変動する可能性があります。金価格は数年前から買い推奨通り2倍に上昇し、さらに4000ドルを目指して上昇を続けています。ビットコインも上昇していますが、金の上昇率の方がさらに高い状況です。こうした背景から彼は「金は多くの投資家にとってより恒久的な資産として認識されている」と分析しています。以上の点を踏まえ、ガンドラック氏は当面の間、米国の債務問題が解決するまでは金を売らずに保有し続ける考えだと述べています。
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