プラザ合意があった1985年以降の米国連邦政府の「国債利払い費(Federal Outlays: Interest)」と「歳出総額(Federal Net Outlays)」の推移

政治経済

元データは米国財務省および米国議会予算局(CBO)の統計値で、FREDから提供されている財政データに基づきます。最新の2024年度は、歳出総額が6兆7,515億ドル(FREDのデータによると、2024年度のFederal Net Outlaysは6,751,552百万ドルと記載されている)、国債利払い費は約8,816億ドル(CBOのインフォグラフィックでは2024年度の利払い費が8810億ドルと報告されている)です。

分析ポイント

  • 1985年当時 – プラザ合意直後の国債利払い費は約1295億ドルで、歳出総額は約9,463億ドルでした。1980年代後半は高金利が続いたため利払い費が急増し、1989年度には約1,690億ドルへ拡大しました。
  • 1990年代 – 政府支出抑制と金利低下で利払い費は伸び悩み、1998年以降は減少傾向となり、2003年度に約1,610億ドルまで低下しました。一方で歳出総額は毎年拡大し、1990年代後半には2兆ドル台に乗せています。
  • 2000年代〜2010年代 – 2008年金融危機後の景気刺激策や社会保障費増加で歳出が大幅に増え、利払い費も債務残高拡大に伴い徐々に増加しました。ただし低金利により増加ペースは緩やかで、2015年度でも約2,232億ドルでした。
  • 2020年代 – 新型コロナ対応に伴う歳出の急増で2020年度の歳出総額は約6兆5,536億ドルまで拡大しました。同時に国債残高が急増し、金利上昇も相まって利払い費は2023年度に約6,592億ドル、2024年度には約8,816億ドルと急増し、歳出に占める利払い費の割合が大きく上昇しています。

グラフを見ると、歳出総額は長期的に右肩上がりで伸びており、近年はパンデミック対応や社会保障費増加によって急拡大しています。一方、国債利払い費は金利の動向と債務残高に左右され、1990年代後半に一時的に減少したものの、近年は利上げと債務膨張により急激に増加しています。今後は金利動向と財政政策が利払い費の水準に強く影響すると考えられます。

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