「鉄門」と鉄門倶楽部の由来と会員区分

慶應義塾大学では、大学を支えた「福澤諭吉の塾」に由来する呼称として、卒業生を「塾員」、在学生を「塾生」と区別します。同じように東大医学部にも歴史ある愛称があります。

  • 東大医学部の同窓会は1899年に設立された「鉄門倶楽部」といい、辞書でも「東京大学医学部医学科卒業生の同窓会」と定義されています。
  • 東大病院の広報誌は、「鉄門」という言葉はこの同窓会を略したものであり、赤門=東大出身者に対する呼称に倣って、東大医学部の卒業生を「鉄門出身者」と呼ぶようになったと説明しています。
    同誌は、江戸期の医学所の門扉が鉄製だったことから町民がその医学所全体を「鉄門」と呼び、それが今日の呼称の由来になったとも記しています。
  • Wikipedia の「東京大学医学部」の項目は、鉄門倶楽部について「医学科の同窓会である」とし、医学科卒業生が正会員、医学科の在学生は準会員であり、教員も規約に基づき会員になれると説明しています。この同窓会を母体に、鉄門野球部など“鉄門”の名を冠したサークルもあり、医学科生・理科三類生が参加しています。

これらの情報から次のようにまとめられます。

  1. 「鉄門」は東京大学医学部の俗称であり、鉄門倶楽部という同窓会の略称です。
    そのため、東京大学の医学部出身者を指して「鉄門出身者」という呼称が使われることがあります。
  2. 同窓会には在学生も関係しますが、呼称は異なります。
    鉄門倶楽部の正会員は医学科の卒業生で、医学科の在学生(および理科三類生)は準会員とされています。したがって、一般に「鉄門」と言えば卒業生を指すことが多いものの、在学生も準会員として同窓会の活動に参加しています。

まとめると、慶應義塾大学の「塾員」が卒業生のみを指すのと同様に、「鉄門」という呼称は本来は東京大学医学部の卒業生を意味します。もっとも、鉄門倶楽部には在学生も準会員として参加しているため、在学中から“鉄門系”と呼ばれるサークルや同窓会のネットワークに属している点が特徴です。

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