三井住友カードの「利用限度額」はカード会社が審査に基づいて設定した“そのカードで利用できる上限額”であり、現在の未納金額(未払い分)そのものではありません。クレジットカードには使った分の請求が引き落とされるまで残る「未決済残高」があり、この未決済分を利用限度額から差し引いた残りが「利用可能額(利用可能枠)」です。例えばショッピング枠が50万円のカードで10万円使った場合、支払いが完了するまでの間の利用可能額は40万円となり、引き落とし日に10万円が支払われると再び50万円まで使えるようになります。このように、限度額は設定金額で固定されており、未払い分はそこから減算される形で管理されます。
未納があるときは残高不足の状態なので、未払い分を解消するまでカードの利用が制限される場合があります。締め日を過ぎても限度額が戻るわけではなく、支払い日に引き落としが完了して初めて利用可能枠が復活します。リボ払いや分割払いの場合は毎月の支払額分しか利用枠が戻らないため、残高が多いと限度額が復活するまで時間がかかる点にも注意が必要です。
複数枚のカードを持っている場合の取り扱い
三井住友カードでは、同じ名義人が複数のカードを持つ場合でもカードごとに限度額が足し算されることはありません。会員規約第9条では、ショッピングやキャッシングリボなどの利用代金を合算した未決済残高に対して「総利用枠」を管理すると規定しています。さらに第10条では、複数のカードを持つ会員に対しては、全カードの中で割賦利用枠が最も高いカード(親カード)の枠を「会員利用総枠」とし、すべてのカードのリボ払いや分割払い・2回払い・ボーナス一括払いの利用金額合計の上限とすると定めています。第11条には、複数カードを保有する場合、全カードを通算して第9条の規定を適用する(つまり利用枠を共有する)ことが明記されています。
このため、例えばビジネスカードの限度額が300万円、個人カードの限度額が100万円の場合でも、カードごとの枠が合算されて400万円まで利用できるわけではありません。300万円が総利用枠となり、その範囲内で両方のカードを合わせて使う形になります。ビジネスカードで200万円使った場合、残りの利用可能枠は100万円となり、個人カードの利用可能額も100万円に制限されます。
適切な使い方のポイント
- 利用状況の確認と支払い期日の厳守:Vpassアプリやウェブ明細で利用状況をこまめに確認し、支払い日に引き落とされるよう十分な口座残高を用意することが重要です。残高不足で未払いが生じるとカード利用が停止されることがあります。
- 利用枠の調整:限度額が足りない場合は、会員サイトから継続的な増枠や一時増枠の申し込みができます。ただし審査があるので、早めに手続きすることが必要です。
- 分割・リボ払いの残高管理:分割払いやリボ払い残高は月々の支払額分しか限度額に戻らないため、利用枠の回復に時間がかかります。繰り上げ返済で残高を一括支払いすれば、枠を早く回復させることができます。
まとめ
- 限度額は未納分ではない:利用限度額はカード会社が設定した上限額で、未払い分を指すものではありません。利用可能枠は限度額から未払い分を差し引いた金額です。支払いが完了すると利用可能枠が回復します。
- 未払いがあると利用が制限される:口座残高不足で支払いができないと、未払い分を解消するまでカードの利用が制限される可能性があります。
- 複数カードでも総利用枠は共有:三井住友カードでは、複数のカードを持っても限度額が合算されることはなく、最も高いカードの利用枠が総利用枠として全カードに適用されます。利用限度額を増やしたい場合は、増枠の申し込みを検討してください。

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