以下は、「世界黄金協会」が国際通貨基金(IMF)の統計を基に作成した2025年3月版「世界公的金保有表」のデータを用いて、金準備が国際準備に占める割合の高い順に上位30か国をまとめたものです(数値はいずれも最新公表時点の概算で、多くは2024年末〜2025年初め)。割合は各国中央銀行・財務省の公的金保有量とその他外貨準備残高から計算されています。
| 順位 | 国名(地域) | 金準備の割合(%) | 公的金保有量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 | ボリビア | 95.9 | 22.5 |
| 2 | ベネズエラ | 88.3 | 161.2 |
| 3 | ウズベキスタン | 81.8 | 390.7 |
| 4 | ポルトガル | 77.0 | 382.7 |
| 5 | アメリカ合衆国 | 76.4 | 8,133.5 |
| 6 | ドイツ | 75.8 | 3,351.5 |
| 7 | フランス | 73.7 | 2,437.0 |
| 8 | イタリア | 72.5 | 2,451.8 |
| 9 | オーストリア | 67.1 | 280.0 |
| 10 | オランダ | 66.6 | 612.5 |
| 11 | ギリシャ | 64.9 | 114.5 |
| 12 | レバノン | 64.3 | 286.8 |
| 13 | キルギス共和国 | 63.6 | 36.2 |
| 14 | キプロス | 57.7 | 13.9 |
| 15 | カザフスタン | 55.0 | 287.9 |
| 16 | ベラルーシ | 52.6 | 53.9 |
| 17 | ジンバブエ | 48.0 | 2.7 |
| 18 | ベルギー | 47.9 | 227.4 |
| 19 | ガーナ | 43.9 | 30.6 |
| 20 | ギニア | 42.3 | 6.3 |
| 21 | トルコ | 36.5 | 619.9 |
| 22 | ロシア | 33.7 | 2,329.6 |
| 23 | エクアドル | 33.6 | 26.3 |
| 24 | パキスタン | 31.6 | 64.7 |
| 25 | キュラソーおよびシント・マールテン | 29.1 | 9.2 |
| 26 | ヨルダン | 28.0 | 68.7 |
| 27 | エジプト | 25.5 | 127.4 |
| 28 | フィンランド | 23.6 | 49.0 |
| 29 | スペイン | 23.2 | 281.6 |
| 30 | スロバキア | 20.4 | 31.7 |
要約と考察
- データの出所と方法:世界黄金協会はIMF「国際金融統計(IFS)」に各国中央銀行が報告する公式金保有量と外貨準備残高を用いて、金準備比率を算出している。金価格は2025年1月末のロンドン金値決め(LBMA、1オンス=2 812.05米ドル)を採用し、外貨準備には金以外の資産も含まれる。
- 金準備割合が極めて高い国:ボリビア(95.9%)やベネズエラ(88.3%)、ウズベキスタン(81.8%)、ポルトガル(77.0%)などは外貨準備の大部分を金で保有している。これらの国は通貨の下落や対外制裁への備えとして金保有に依存していると考えられる。
- 先進国の高シェア:アメリカ、ドイツ、フランス、イタリアは70%前後と高い比率を維持し、金保有量も世界トップクラスである。ユーロ圏ではオーストリア、オランダ、ギリシャ、キプロスなども高い割合を示している。
- 新興国の傾向:カザフスタン(55.0%)、ベラルーシ(52.6%)、ジンバブエ(48.0%)、ガーナ(43.9%)、ギニア(42.3%)など、新興国にも金への依存度が高い国が多い。自国通貨の信頼性や外貨調達の難しさから、安全資産として金を保有していることがうかがえる。
- 比較的低い割合でも上位に入る国:トルコ(36.5%)やロシア(33.7%)、エクアドル(33.6%)、パキスタン(31.6%)などは金保有量が多いため、割合は世界平均(約19.7%)より少し高いだけでもトップ30に入っている。
- その他:中国(5.9%)や日本(6.2%)などは外貨準備の大半を通貨やその他資産で保有するため割合が低く、トップ30には含まれていない。ユーロ圏の外貨準備(欧州中央銀行の統計を含む)全体では約64%が金とされ、欧州は金準備の比重が高い。
このデータから、金は依然として各国の外貨準備における重要な要素であり、特に政治的・経済的リスクが高い国や通貨への信頼が低い国では金への依存が強いことが分かる。欧米の先進国は戦後からの金保有量をほぼ維持しているため、金準備の比率が高い。

コメント