NUGTにおける米国上場金鉱株の位置づけ:数量と影響力


レバレッジ型ETFであるNUGT(Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares)は、自身で個別の金鉱株を保有せず、VanEck社の【Gold Miners】ETFであるGDXをスワップなどを通じて保有することで、NYSE Arca Gold Miners Index(2025年9月以降はMarketVector Global Gold Miners Index)への日次2倍の値動きを目指しています。そのため、NUGTに含まれる金鉱会社を調べるにはGDXの構成銘柄とその上場市場を分析することになります。

GDXは世界の金鉱・銀鉱企業約50社前後を時価総額加重で保有しており、地域別の資産配分はカナダが約55 %で最も多く、米国は約15 %、豪州が約9 %、英国・南アフリカ・メキシコなどが続きます。また、別の調査によるとMarketVector Global Gold Miners Indexにおけるカナダの比率は約47〜54 %、米国は約14〜16 %、豪州や南アフリカは各10 %前後と報告されています。このように、GDX(ひいてはNUGT)は米国以外の企業が大半を占めるグローバルなポートフォリオです。

命題:米国上場比率は低い

  • カナダ企業が多数を占める:GDXの国別配分では、カナダ企業が55.4 %と支配的であり、米国企業は15.2 %に過ぎません。さらに、学術サイトの分析では、「このETFはカナダ株が約46 %を占め、米国や豪州がそれぞれ二桁程度」と述べられています。このため、NUGTに含まれる金鉱会社の大半はカナダや他国に本拠を置き、米国上場企業は少数派となります。
  • 構成銘柄数に基づく比率:MarketVector Global Gold Miners Indexの構成銘柄は約45銘柄で、カナダ企業が20〜30社、米国企業は4社程度とされます(公開資料より)。単純に社数で計算すると米国上場比率は10 %未満となり、米国企業の存在感は限定的です。
  • 新興市場や非米国市場への依存:ポートフォリオの地域別比率を見ると、長期保有分の82.45 %が「外国株」であり、米国株(国内株)は13.88 %しかありません。これはレバレッジ商品であるNUGTの値動きが米国市場だけでなく国際要因に影響されやすいことを意味します。

反対命題:米国比率は無視できない

  • 時価総額の大きい米国銘柄:GDXでは米国のニューモント(Newmont Corporation)、ロイヤル・ゴールド(Royal Gold, Inc.)、ヘクラ・マイニング(Hecla Mining)やコーア・マイニング(Coeur Mining)などが組み入れられており、米国企業のウェイトは個別では比較的高い。例えばニューモントは単独で約8.8 %の比率を持ち、ロイヤル・ゴールドは約2.5 %、ヘクラ・マイニングやコーア・マイニングもそれぞれ1.5 %前後のウェイトがあります。数は少なくとも、米国企業の時価総額が大きいことからポートフォリオ全体への寄与は無視できません。
  • 二重上場・ADRの存在:バリック・ゴールドやフランコネバダなどは本社がカナダでもニューヨーク証券取引所に上場しており、米国投資家にとっては米国株として取引されます。国別分類ではカナダ扱いとなるものの、実質的には米国市場での流動性が高いため、米国の市場変動に敏感に反応します。
  • レバレッジETFの運用による調整:NUGTはGDXへのスワップと現金ポジションを組み合わせて2倍のリターンを狙うため、ポジションの調整やキャッシュ比率の変化で米国上場銘柄の影響度が変わる可能性もあります。2025年末時点のデータでは、キャッシュや米国債券関連の短期投資がポートフォリオの30〜40 %を占めており、純粋な金鉱株エクスポージャーはGDXより縮小しています。

総合考察(統合)

弁証法的に両立する立場を統合すると、以下のように整理できます:

  1. 米国上場銘柄の数は少ないが、ウェイトは存在感がある
    構成銘柄数ベースでは米国企業は全体の10 %前後にとどまります。しかし、ニューモント等の大型企業のウェイトが高いため、ポートフォリオ全体に対する米国比率は約13〜15 %であり、完全に無視できるレベルではありません。
  2. 大半の銘柄はカナダなど海外企業であり、NUGTの投資リスクは国際的
    GDXの国別配分ではカナダが過半を占め、米国は二番目または三番目の比率に過ぎません。したがって、NUGTの値動きはカナダや南アフリカ、オーストラリアの金鉱企業の業績や現地通貨の影響を強く受けます。
  3. 二重上場銘柄が米国市場との連動性を高める
    本社がカナダや南アフリカにある銘柄でもニューヨークに上場しているケースが多く、実際の取引は米ドル建てで行われます。これにより、米国金利やドル相場の変動がNUGTのパフォーマンスに反映される側面があります。

要約

  • 構成銘柄の国籍分布:NUGTの実質的な中核であるGDXでは、国別の資産配分がカナダ55.4 %、米国15.2 %、豪州8.6 %、英国6.6 %、南アフリカ6.3 %などとなっており、米国上場銘柄は少数派です。構成銘柄数でも米国は全体の1割弱と推定されます。
  • 米国銘柄の影響:米国企業は数こそ少ないもののニューモントやロイヤル・ゴールドなど時価総額の大きい銘柄があり、ポートフォリオのウェイトでは10〜15 %程度を占めています。
  • 国際分散効果とリスク:NUGTはレバレッジETFであり、米国を含む複数国の金鉱株に分散投資しているため、米国市場の影響だけでなくカナダや他国の政治・経済状況、為替変動もリターンに影響します。
  • 総合的判断:米国上場比率は全体の一部にすぎないものの、主要銘柄の存在感は大きく、NUGTへの投資には米国市場と国際市場の双方を視野に入れた分析が必要です。

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