投資判断は「PERに見合うEPSの成長見通し」によるべき

政治経済

**投資判断において「PER水準のみを論じるのは不十分であり、それに見合う成長性(EPSの将来見通し)をどう捉えるかが本質である」**という主張は、理論・実証の両面から極めて合理的です。以下に、内容をさらに整理・補足しつつ、必要に応じて深掘りしてみます。


✅ 1. PERと成長性:バリュエーションの本質

「PERが高い=割高」とする単純な判断には落とし穴がある。

これは非常に重要です。例えば:

  • PER 30倍でも、EPS成長率が年20〜25%であれば合理的(PEGレシオ ≒ 1)
  • PER 10倍でも、EPSが横ばいor減益傾向なら投資妙味は薄い

つまり、「評価倍率」より「成長可能性」こそが投資の肝です。

この点で、たとえばGAFAMやエヌビディアなどの米国寡占企業は、**高PERでも“将来の利益予測に対して合理的”**である場合が多い。


✅ 2. 新興国市場の構造的ハンディキャップ

モノカルチャー経済、資本の偏在、垂直的分業の固定化、そして法制度の不備

まさにその通りで、「南北問題」は単なる過去の遺物ではなく、今も形を変えて存続しています。現代版のそれは:

  • 知的財産権の本拠地(米国・欧州) vs 製造請負地(アジア・中南米)
  • 資本市場の厚み vs 薄い資本市場(国際資本逃避)
  • 法治国家 vs 政治的不確実性(中国、トルコ等)

TSMCのような成功例は存在しますが、それでも「設計・アーキテクチャ(上流工程)」は依然として米国(NVIDIA, AMD, Apple等)が握っています。

つまり、新興国が技術で追いついても、「価値の源泉」が依然として先進国に集中しているという構造的課題は解決されていません。


✅ 3. 米国市場のリスクと強み

「成長に狂いが生じれば、現在の高評価はリスクとなる」

これはまさにハイバリュエーション市場の宿命です。しかし、米国には以下の点で「評価の正当性」が支えられています。

項目強み
寡占企業の収益モデルGAFAM、NVIDIA、VISAなど、独自のエコシステムと価格決定力
資本市場の透明性と厚みSEC、GAAP、長期資金の供給力
技術革新の土壌ベンチャー生態系、IP保護制度、大学・軍事産業複合体
法の支配・知的自由クリエイティブ思考と多様性の許容(中国と対照的)

これらの制度的強さは、単なるマクロ指標(GDP成長率等)を超えて、**「投資の安全性」**に直結するため、高PERを支えるロジックとなります。


✅ 4. 中国株の上昇とその限界

「中国は資本主義の皮をかぶった統制経済」

このご指摘も鋭く、まさにリスクプレミアムという観点で、中国株のバリュエーションは**“割安で当然”**という構造的理由があります。

🧱 中国における構造リスク

  • 土地私有不可(全て国有) → 資産形成の自由性が制限
  • 政策の恣意性(突然の業界規制) → アリババやDiDiの例が象徴的
  • 自由な報道・司法の不在 → 投資家保護の限界
  • 台湾・南シナ海など地政学的リスク

短期的には反発があるとしても、中長期での投資妙味には慎重さが求められる市場です。


✅ 結論:投資妙味とは「PER」ではなく「PERの裏にある成長ストーリー」

「成長なき割安は罠。成長ある高PERは正義である」

まさにこのように総括できます。

  • PER × 成長率(PEG)という視点が重要
  • 成長の持続可能性は、制度・文化・知的インフラに支えられている
  • 米国は評価が高いが、それを裏付けるエコシステムがある
  • 新興国は成長余地があるが、制度的・政治的リスクがリターンを削ぐ可能性も大きい

1. GAFAMおよびNVIDIAの今後5年間のEPS成長率予測

GAFAMのEPS成長率予測

GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の各企業について、最新のアナリスト予測や財務報告を基にした具体的なEPS成長率のデータは、現時点では限られています。しかし、これらの企業は過去数年間にわたり堅調な成長を遂げており、特にクラウドサービス、広告、ハードウェア販売などの分野での収益増加が期待されています。

NVIDIAのEPS成長率予測

NVIDIAに関しては、以下の予測が報告されています:

  • 2025年度(2025年1月期):EPSは前年同期比で82.79%増の0.89ドル
  • 2026年度(2026年1月期):アナリストのコンセンサス予測では、EPSは4.16ドルとされており、前月の4.05ドルから上方修正されています

これらの数値から、NVIDIAは今後も高い成長率を維持すると期待されています。


2. 新興国ETF(EEM、VWO)と米国市場のバリュエーション・リスク比較

iShares MSCI Emerging Markets ETF(EEM)

  • リスク評価:Morningstarによれば、EEMのリスク評価は以下の通りです:
    • 標準偏差:16.45%
    • シャープレシオ:0.37
    これらの指標は、EEMが比較的高いボラティリティを持つことを示しています。

Vanguard FTSE Emerging Markets ETF(VWO)

  • リスク評価:Morningstarによると、VWOのリスク評価は以下の通りです:
    • 標準偏差:15.92%
    • シャープレシオ:0.40
    EEMと比較して、VWOは若干低いボラティリティと若干高いリスク調整後リターンを示しています。

米国市場との比較

一般的に、新興国市場は米国市場に比べて高い成長ポテンシャルを持つ一方で、政治的・経済的リスクも高いとされています。そのため、バリュエーション(PERなど)は低めに設定される傾向がありますが、これはリスクプレミアムを反映したものです。


3. 高PERでも成功した企業、低PERでも失敗した企業の事例

高PERでも成功した企業の事例

  • Amazon:長期間にわたり高いPERを維持しながらも、クラウドサービス(AWS)やeコマースの成長により、株価は大幅に上昇しました。
  • Netflix:コンテンツ投資と国際展開により、高PERながらも会員数と収益を伸ばし続けています。

低PERでも失敗した企業の事例

  • Kodak:デジタル化の波に乗れず、フィルム事業の衰退とともに業績が悪化しました。
  • Nokia:スマートフォン市場への適応が遅れ、競争力を失いました。

これらの事例から、PERだけでなく、企業の成長戦略や市場環境を総合的に評価する重要性が示されています。

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