SBI証券・米国株の逆指値注文における「成行」指定とは何か

逆指値注文の基本(参照価格と注文価格)

逆指値注文(ストップ注文)とは、通常の指値・成行注文とは逆の発想で、「株価が一定水準に達したら自動で注文を発注する」方法です。SBI証券の米国株取引では、逆指値注文を出す際に 「参照価格」(トリガー価格)と 「注文価格」 の2つを指定しますideco-ipo-nisa.com。参照価格とは「この価格に達したら注文を出す」という基準となる株価のことで、注文価格は実際に発注される注文の価格を指しますideco-ipo-nisa.com。SBI証券では参照価格に現在値が到達した際に発注される注文価格について、「指値」(リミット)か 「成行」(マーケット)のいずれかで指定できますideco-ipo-nisa.com。2019年10月よりSBI証券でも米国株にこの**逆指値(指値指定/成行指定)**注文が導入され、最長90営業日先まで有効な期間指定も可能となりましたprtimes.jp

「成行」で注文価格を設定する意味

逆指値注文で注文価格を「成行」に設定するというのは、参照価格に達したときに指値を指定せず市場価格で注文を執行することを意味しますideco-ipo-nisa.com。つまり、トリガー条件を満たした瞬間に、その銘柄を 成行注文(マーケット注文) として市場に発注するということです。具体的には、参照価格に到達すると即座に価格未指定の買い注文または売り注文が出され、現行のマーケットプライス(その時点での最良気配値)で約定が試みられます。これにより、**指値価格を指定する逆指値注文(=ストップリミット注文)**とは異なり、指定した価格を超えても確実に注文が成立するという特徴があります。

指値指定の逆指値注文との違い

注文価格を**「指値」で設定した逆指値注文(ストップリミット)は、参照価格に達した際に指定した価格の指値注文が発注されます。一方、「成行」で設定した逆指値注文(ストップマーケット)は、参照価格に達した際に無条件に成行注文**として発注されます。違いをまとめると以下の通りです:

  • 逆指値(指値指定):トリガー到達後、設定した価格の指値注文として執行される。指定価格でのみ売買するため、約定価格の上限/下限をコントロール可能。ただし、急変時に価格が大きく飛んだ場合、指値条件に合わず**注文不成立(約定しない)**となるリスクがある。つまり、損失限定の注文が出せても約定保証はない。
  • 逆指値(成行指定):トリガー到達後、成行注文として執行される。最優先で注文が市場に出され即座に約定を試みるため、急変時でも約定しやすい(成立しやすい)info.monex.co.jpinfo.monex.co.jp。ただし、成行のため価格は指定できず、どの水準で fills するかは市場に委ねられる。つまり約定は保証される一方、価格面の保証はない

成行逆指値のメリット(利点)

  • 迅速かつ確実な約定:成行注文は指値注文よりも優先して成立し、早く確実に売買したいときに有効ですinfo.monex.co.jp。参照価格に達した瞬間に市場に注文が出るため、大きな価格変動の局面でも取引成立の可能性が高いです。損切り目的の売り注文(ストップロス)では、成行指定にしておくことで急落時にもポジションをすぐ処分できる安心感があります。
  • チャンスを逃しにくい:逆指値の買い注文(例えばブレイクアウト狙い)でも成行指定にすれば、指定した水準を超えて株価が上昇した場合に速やかに買いが執行されます。指値指定では約定しなかったケースでも、成行なら多少想定以上の価格でも買いに行くため、相場の好機を逃しにくいという利点があります。
  • 設定が簡単:指値価格を事前に決める必要がないため、逆指値条件(参照価格)のみ決めて発注すれば良く、設定がシンプルです。細かな価格設定に迷ったり、急変時のリスク許容幅を計算する手間を省けます。

成行逆指値のデメリット・注意点

  • スリッページのリスク:成行注文の最大の注意点はスリッページです。トリガー到達後に発注される成行注文では、約定する際に当初想定した価格から乖離した水準で取引が成立してしまう可能性がありますsupport.matsui.co.jp。例えば急落で逆指値売りが発動した場合、参照価格よりもずっと安い価格に飛んで約定してしまう(想定以上の安値で売れて損失が拡大する)恐れがありますinfo.monex.co.jp。買い注文の場合も、急騰時には参照価格を大きく上回る高値で約定するリスクがありますinfo.monex.co.jp。このように、成行逆指値では約定価格の不確実性(=スリッページ)に注意が必要です。
  • 価格乖離と急変動:米国株市場は値幅制限がなく、予期せぬニュースや指標発表で株価が急変動・ギャップアップ/ダウンすることがありますinfo.monex.co.jp。その場合、成行逆指値では参照価格を大きく飛び越えた価格で約定することがあります(価格乖離)。これは損切り注文でも起こり得るため、「ここまで下がったら売る」と決めていても、実際にはその価格よりかなり低い値で売却されるリスクを理解しておく必要があります。
  • コスト面の注意(買付余力への影響):成行で執行される逆指値買い注文では、約定代金が事前拘束した買付余力を上回る可能性がありますsbisec.co.jp。SBI証券も公式に「逆指値(成行)注文の場合、指定した参照価格に達した際に成行注文として市場に発注されるため、拘束した余力以上の金額で約定する恐れもある」と注意喚起していますsbisec.co.jp。したがって、逆指値の成行買いを出す際は十分な余裕資金を用意しておかないと、約定後に口座残高が不足して追加入金が必要になったり、注文自体が発注エラーとなるリスクがあります。
  • 思わぬ高値掴み・安値売り:成行逆指値はマーケット任せになるため、思った以上に不利な価格で売買が成立するケースがあります。とくに出来高の少ない銘柄では、成行注文により板を飛ばして極端な高値で買い付けてしまったり、安値で売り叩かれる可能性が高まりますinfo.monex.co.jp。したがって、低流動性銘柄での利用には細心の注意が必要です。
  • 注文管理と取消:逆指値注文は参照価格に達するまでは有効期間内なら訂正・取消が可能ですが、一度トリガー発動し市場に発注された後は通常の成行注文と同様にキャンセルできません。急な相場変動で発動した場合、後から「やっぱり売りたくなかった」と思っても取り消せない点に注意が必要です。

以上のデメリットから、成行逆指値を利用する際は相場急変時のリスクと許容範囲を十分検討し、必要に応じて指値指定の逆指値(ストップリミット)も検討すると良いでしょうinfo.monex.co.jp

SBI証券公式情報と関連リンク

  • SBI証券公式サイト:米国株式への逆指値注文サービス開始(2019年)prtimes.jp
    (逆指値注文(指値指定/成行指定)の導入と期間指定90営業日への延長に関するお知らせ)
  • SBI証券公式FAQ:外国株式の注文方法・注意事項(逆指値注文の仕様説明あり)ideco-ipo-nisa.com
    (参照価格と指値/成行の注文価格を指定する逆指値注文の定義)

まとめ

SBI証券の米国株取引における逆指値注文では、あらかじめ定めた参照価格に達したときに注文を発動できます。その際の注文価格を「成行」で指定すると、トリガー到達後に成行注文として即座に執行されることを意味します。これは確実に約定させたい場合に有効ですが、約定価格は市場任せとなるため、スリッページ(価格のズレ)や急変時の価格乖離によって意図しないレートで売買が成立するリスクがあります。反対に「指値」で指定する逆指値注文は価格をコントロールできますが、約定されない可能性があります。それぞれ一長一短があるため、メリット(迅速かつ成立しやすい点)とデメリット(価格面の不確実性)を理解した上で使い分けることが重要ですinfo.monex.co.jp。特に成行の逆指値注文を利用する際は、十分な資金余力の確保流動性・相場変動への注意を払い、想定外の約定にも対応できるよう備えておきましょうsbisec.co.jpsupport.matsui.co.jp。最後に、自身の投資スタンスに合わせて指値と成行を使い分けることで、米国株取引でのリスク管理と機動的な売買を両立させることが可能です。

引用

〖逆指値注文〗SBI証券の「米国株」がさらに便利に〖期間指定90営業日〗 | お金に生きる

https://ideco-ipo-nisa.com/36882米国株式「逆指値注文開始」及び「期間指定注文延長」のお知らせ ~米国株式の期間指定注文を90営業日まで延長~ | 株式会社SBI証券のプレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000305.000007957.html注文種別について | マネックス証券https://info.monex.co.jp/help/us-stock/ordertype.html注文種別について | マネックス証券https://info.monex.co.jp/help/us-stock/ordertype.html逆指値注文はどのようなときに利用しますか。 | よくあるご質問(Q&A)|松井証券https://support.matsui.co.jp/faq/show/1649?site_domain=faq逆指値注文 – SBI証券https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_domestic&cat1=domestic&cat2=none&dir=info&file=domestic_info_190422_01.html

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