道路に引かれた黄色い線の役割

道路に引かれた黄色い線には色や位置によっていくつかの種類があり、それぞれ意味が異なります。共通する目的は「このラインを越えるような行為を制限し、事故を防ぐ」ことです。以下では主な黄色線の役割をまとめます。

1. センターラインに引かれた黄色の実線

片側1車線の道路の中央にオレンジ色(黄色)の実線が引かれている場合、道路交通法の規制標示「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」を示します。黄色実線のセンターラインでは、追い越すために対向車線側へはみ出すことが禁止されています。工事や駐停車車両を避けるために一時的にはみ出すのは許されますが、追い越し目的でははみ出してはいけません。狭い道路や見通しの悪い場所など、追い越しが危険な区間で用いられます。

白色の破線や実線と組み合わせて2本・3本引かれている場合もあり、その場合は自車側のラインの種類に従います。白色の破線側から黄色実線側へのはみ出しは可能ですが、黄色実線側から白破線側へはみ出すことはできません。

2. 同方向レーンの境界に引かれた黄色の実線

片側2車線以上の道路で同じ方向のレーン境界に黄色の実線が引かれている場合は「進路変更禁止」を示す区画線です。車線変更や追い越しでこの線をまたぐことは禁止されます。交差点やカーブ、トンネルなど、事故が起きやすい区間で多く使われます。白色の実線・破線の車線境界線は車線変更が可能ですが、黄色の実線は車線変更禁止なので注意が必要です。

3. 歩道側の端に引かれた黄色の線

歩道の縁石や路側帯の端に黄色の線が引かれている場合は駐停車規制を示します。黄色の実線の場合は「駐停車禁止」、黄色の破線は「駐車禁止」を表します。歩道上ではなく、道路のその区間全体にかかる規制なので、駐車や停車の際は特に注意が必要です。

4. 矢印状の黄色の破線

近年導入された「矢羽根型」の黄色い破線は、道路管理者が独自に設置する法定外表示で、先に車線変更禁止区間があることを予告するための表示です。矢印状の破線自体は踏んでも違反ではありませんが、「この先で黄色の実線による進路変更禁止が始まる」ことを知らせるため、早めに車線変更を終えるべき区間で使われます。

まとめ

黄色線の役割を整理すると次のようになります。

黄色線の種類主な位置意味
黄色実線のセンターライン対向車線との境界追い越しのために右側へはみ出すことを禁止。障害物を避けるためのはみ出しは可能。
黄色実線の車線境界線同方向レーンの境界車線変更・追い越しを禁止する進路変更禁止区間。
歩道側の黄色実線・破線縁石・路側帯黄色実線は駐停車禁止、黄色破線は駐車禁止を示す。
矢羽根型黄色破線(法定外表示)黄色実線が始まる手前この先車線変更禁止になることを予告する注意喚起表示で、踏んでも違反にはならない。

このように、黄色い線は「追い越しのためのはみ出し禁止」「車線変更禁止」「駐停車・駐車禁止」といった重要な規制を示す役割を持っています。線の位置や組み合わせによって意味が変わるので、走行中は自車側にある線の色や形を確認し、安全運転に活かしてください。

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