SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド

1. 金現物の保管場所

SBI・iシェアーズ・ゴールドファンドが保有する金の現物は、イギリス・ロンドンの専用保管施設(JPモルガン・チェース銀行ロンドン支店の金庫) に保管されています。世界的に金取引の中心地であるロンドンの高水準な保管拠点に預けられており、国際的な基準を満たした環境下で管理されています。

2. 保管の信頼性と監査体制

  • 信頼性の高い保管銀行:金の保管を担うのは国際的な大手銀行であるJPモルガン・チェース銀行です。同銀行はロンドン貴金属市場協会(LBMA)のメンバーであり、厳格な基準に沿って金地金を管理しています。保管される金塊はすべて**LBMAのグッドデリバリー基準(純度99.5%以上)**を満たすもののみが採用されており、品質面でも信頼できます。
  • 厳重なセキュリティ:ロンドンの保管庫には24時間体制の監視や厳格な入退室管理など、高度なセキュリティ対策が施されています。金地金はファンド専用に**分別管理(アロケーテッド保管)**され、他の資産と混在しない形で保管されます。万全の警備体制により、物理的な盗難や紛失のリスクを極小化しています。
  • 定期的な監査・検証:保管されている金の現物については、年に2回の頻度で実物の検査(棚卸監査)が実施されています。第三者の専門機関や監査人が金塊の在庫を確認し、帳簿記録と照合することで、実際に必要量の金が保管されていることを検証しています。また、ファンド全体としてもブラックロック社(iシェアーズETCの運用会社)の厳格な管理下で運用され、内部および外部の監査体制によって資産の安全性と正確性が維持されています。

3. 保管中の金に対する保険

保管中の金地金には十分な保険が掛けられています。具体的には、保管銀行であるJPモルガンが金庫内の金に対し盗難・損害保険を付保しており、万が一金の紛失や盗難などの事故が起きた場合でも、その価値に見合う補償を受けられる仕組みになっています。この保険によって、物理的リスクによるファンド資産の毀損に対する備えが確保されています。

4. ファンドの仕組み(現物裏付け型か金価格連動型か)

SBI・iシェアーズ・ゴールドファンドは現物裏付け型の仕組みを採用しています。ファンド資金は主に、ブラックロック社が運用する海外上場の**「iシェアーズ・フィジカル・ゴールドETC」という金連動証券に投資されます。このETCは実物の金地金を裏付け資産として発行されており、金価格に連動するよう設計された商品です。つまり、ファンド自体が直接金の延べ棒を保有するわけではありませんが、その投資先のETCが保管庫にある金現物を100%担保**に発行されているため、実質的にファンドの価値は保管された金によって支えられています。

このファンドはファミリーファンド方式で運用されており、投資家から集めた資金はマザーファンド(ベースとなるファンド)を通じて上記の金連動ETCに投資されます。これにより、ファンドの基準価額はロンドン市場の金価格(LBMA金価格)とほぼ同等の動きを示すようになっています。為替ヘッジなしクラスの場合は金価格の円換算変動をそのまま反映し、為替ヘッジありクラスでは為替変動リスクを抑えつつ金価格に連動する成果を目指します。いずれにせよデリバティブ中心の「金価格連動型」ではなく、実物資産に裏付けられた運用構造となっている点が大きな特徴です。

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