オープン型投資信託(追加型)は受益権を追加設定するたびに元本が個別に管理されるため、解約時に受け取る収益分配金の「配当等の計算期間」は、一般の投資信託とは異なります。法人税基本通達では以下のように定めています。
- 決算分配金:受益権ごとの元本設定日(追加設定日を含む)から、該当する計算期間の末日までを記載します。
- 解約による収益分配金:その受益権の元本設定日から解約日までの期間が計算期間です。
- 終了による収益分配金:元本設定日から信託終了日まで。
- 国内追加型投資信託を設定により取得した場合は、計算期間欄を省略し、「所有期間割合」を1.000として記載できます。
このため、投資家が複数回購入した場合には、それぞれの購入日(元本設定日)に対して計算期間を別々に計算し、元本所有期間に対応する所得税額のみを法人税から控除することになります。
レバナス(楽天レバレッジNASDAQ‑100)の場合
- ファンドの概要:楽天レバレッジNASDAQ‑100は「追加型投信/海外/株式/特殊型(ブル・ベア型)」に分類され、2021年11月17日に設定されました。信託期間は無期限で、決算日は毎年10月15日(休業日の場合は翌営業日)です。
- 計算期間:分配金が支払われた実績はないため、主に解約時に計算期間が関係します。解約の収益分配金は購入日(元本設定日)から解約日までの期間とされます。例えば、2023年1月10日に購入し2025年3月20日に解約した場合、この期間が別表6(1)に記載する計算期間となります。
ゴルプラ(Tracers S&P500ゴールドプラス)の場合
- ファンドの概要:Tracers S&P500ゴールドプラスは「追加型投信/海外/資産複合」で、米国株式と金先物に対して純資産総額の200%相当額を投資するレバレッジ型ファンドです。決算は年1回で、信託期間は無期限、為替ヘッジはありません。
- 計算期間:このファンドも追加型なので、解約時の計算期間は購入日から解約日までとなります。例えば、2024年6月1日に購入し2026年8月5日に解約した場合、元本設定日から解約日までが計算期間です。
要約
- オープン型投資信託(追加型)の解約時に受け取る収益分配金については、受益権ごとの元本設定日から解約日までが「配当等の計算期間」となります。
- 国内追加型では計算期間欄を省略し、所有期間割合を1.000と記載することが認められています。
- レバナス(楽天レバレッジNASDAQ‑100)とゴルプラ(Tracers S&P500ゴールドプラス)はどちらも追加型投資信託であり、解約時の計算期間は「購入日から解約日まで」となる点が共通しています。
記載例
2022年に\1,000,000で購入したゴルプラ(Tracers S&P500ゴールドプラス)を2025年10月1日に\2,000,000で売却した。源泉徴収された所得税及び復興特別所得税153,150は未収還付法人税等として資産計上した。





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