政治経済

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2年で陳腐化、6年で償却?AI産業を揺るがす減価償却問題

1. テーゼ(問題提起:過少償却の疑惑)資産の償却期間延長による利益水増し投資家マイケル・バーリ氏は2025年11月のSNS投稿で、GPUの耐用年数を人為的に延長することで減価償却費を過少計上し、利益を嵩上げするのは「現代における最も一般的...
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価値形態の矛盾と金銀の歴史的役割

1. 「貨幣の魔力(物神性)」の意味1.1 商品の物神性と貨幣の魔力マルクスは『資本論』第1巻で、商品世界が人々の関係を物と物の関係に置き換えることを「物神性」と呼ぶ。人々は互いの労働の関係を直接確認せず、市場で商品が交換される際に初めて自...
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VAT改革と価格高騰の狭間で揺れる中国の金需要

テーゼ(肯定命題):季節外れの強さが示す強固な需要2025年10月、ロンドン金価格(LBMA Gold Price PM)は前月比約4.9%、上海基準価格(SHAUPM)は5.5%上昇し、年初来でもそれぞれ40%以上の伸びを示しました。通常...
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「AIバブルは終わった」の真偽

テーゼ(命題)—「AIバブルは終わった」とする立場投機熱の剥落と株価の急落生成AIブームでエヌビディアやマグニフィセント7企業が急騰した後、2025年11月20日に米国株式市場が急反落し、ナスダック総合指数は乱高下しました。エヌビディア株も...
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雇用増 vs 失業率上昇

背景とデータ2025年9月の米国雇用統計は、政府機関の一時閉鎖の影響で公表が11月20日にずれ込みました。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比で11.9万人増加し、市場予想(約5万人前後)を大きく上回りました。一方、家計調査に基づく失業率は...
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デフレからの復活か、それとも格差の固定化か:アベノミクス総括

問題の背景1990年代後半、日本経済はデフレに陥り、長期間にわたり物価が上がらない「デフレの罠」に苦しんだ。金融政策のレビューによると、日本がデフレに陥った主な理由は三つに整理できる。第一に、バブル崩壊後に自然利子率が低下し、伝統的な金融政...
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ドルの犠牲と貴金属の逆襲:金1万ドル・銀666ドルという帰結

テーゼ(肯定論)貨幣価値の希薄化と歴史的平均回帰 — エゴン・フォン・グライアーツ氏は、長期的な金融緩和と政府債務の累積によりドルの購買力が低下し、投資家が実物資産へ逃避すると主張する。1970年代や2010年代初頭のように、銀は大きなイン...
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円は本当に“割安”なのか?ガンドラック氏が示す反転の条件

1. 定立(主張)— 日本円は割安で上昇する円は割安だという認識ガンドラック氏は、円は「かなり安い通貨」であり今後上昇すると語った。ローゼンバーグ氏も「ドル円は120〜130円程度が妥当」と述べ、円が過度に安く評価されていると認めた。本稿で...
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BRICS決済システムの実像

問題提起(テーゼ)「BRICS決済システム」と「BRICSペイ」を混同したり、どちらも既に185カ国で使用されている、BRICSペイはゴールドで裏付けされた仮想通貨で紙幣まであり、エチオピアでマイニングが行われているなどの噂を信じている。そ...
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資本は労働を超えるか:労働価値説と r>g

序論19世紀の資本主義分析では、価値と分配の決定因を労働に求める「労働価値説」が大きな役割を果たした。マルクスは『資本論』で労働を価値創造の源泉と位置づけ、資本家は労働者の労働力を買い叩くことで剰余価値を獲得すると論じた。一方、21世紀に入...