もちろん、私は日本の良さを知っている。海外旅行から帰る度に、日本の現場労働者の水準の高さに感心する。総じて丁寧で清潔で真面目である。日本の食は魅力的だし、電化製品や衣料品も質が高い。しかし、ミクロ経済的には優秀だが、マクロ経済的には米国に大きく劣後する。
投資をするなら最も儲かる選択肢を取るのは当然だ。現状米国は世界一のGDPを誇る経済大国である。また、日本は米国経済の犠牲となった歴史がある。第2の敗戦と言われるプラザ合意による円高が量的緩和を誘発しバブル経済へと繋がり失われた30年の端緒となる。さらには、当初日本が世界の半導体市場を席巻していたが、1980年代の日米半導体摩擦による規制で手詰まりになり、米国はおろか韓国や台湾といった新興国にさえも後塵を拝してしまう。
つまり、米国が超大国でないと国際秩序を保てないため、米国経済のために自由主義陣営は時に犠牲になる立場なのである。先のプラザ合意においても日本だけでなく西ドイツもドル安を誘導するためマルク高を甘受している。ロシアや中国のような巨大な軍事独裁政権がある限り、米国は圧倒的な軍事力、それを支える経済力を有しなければならない。
したがって、私は米国に投資する。日本の良さは強く実感するが、相応の額を投資しているため、負ける訳にはいかない。少しでも有利な市場に投資するまでである。
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