絶対にアイドルを嫁にする!

処世術

諸君は結論から知りたいに違いないが、まあ落ち着け。まずは、ファンを業界人でない男性ファン、アイドルを女性アイドルと仮定しよう。多くの市民にとって、芸能界は縁遠いから水商売を例に説明する。芸能界は水商売に類似するからだ。女性アイドル中心の事務所ならば、さしずめキャバクラである。芸能事務所の社長はキャバクラのオーナーであり、マネージャーは黒服、ファンは客といったところだ。

さて、本題に入ろう。サービスの水準が高い上品なキャバクラは、キャストと黒服の情事は御法度である。キャストとは商品であり、そのイメージもその価値を構成する一要素だからだ。オーナーとキャストの恋愛はどうだろうか。陰ではあるだろう。しかし、表立ってはすまい。キャストとの疑似恋愛を期待する客にとって興醒めであり、商品価値が著しく下がってしまう。一方で、太客とキャストとの恋愛は容認されるかもしれない。

芸能界も同じである。マネージャーとアイドルとの交際は禁止であり、事務所社長も人気に陰りが見えた往年のアイドルとの結婚はあり得るが、全盛期のアイドルと結婚してしまっては、商売が成り立たない。当然、同じ理由で一般人と人気アイドルの交際は、商売上看過できない。

では、どうすれば良いのか。人気アイドルの恋愛や結婚による売上の減少を補填できるほどの経済力をつけるしかない。例えば、芸能事務所の取引先として大口の仕事を発注する、または社会に大きな影響力を持ち仕事の便宜を図ることができる等である。つまり、手塩にかけて育てたアイドルと何の見返りもなく恋愛することは道義上認められない。ファンの自分本位な欲望で仮初めの恋愛ができたとしても、周囲から祝福の得られない関係は両者ともに不幸になり、長く続けるのは難しいだろう。

他方、当人が男性芸能人の場合は異なる。売れっ子芸能人同士の熱愛は頻繁にある。その理由は上記の通りである。女性アイドルのファン離れによる損失を補填する以上の経済力が相手又は相手の所属する芸能事務所にあれば、関係者も容認するのである。芸能人同士の格差婚が長続きしない傾向にあるのも、経済的に一方の関係者が損をする構図になるからだ。

よって、アイドルとの交際には、事務所社長に認められるだけの経済力を備えなければならない。具体的には、経営者で財を成すか、芸能人として売れるか、高給取りのスポーツ選手になるかといった選択肢が中心となるだろう。一方で身も蓋もない話だが、売れていない冴えないアイドルよりも、一流企業等の良質な共同体に属する女性の方が容姿も精神的にも魅力的であることが往々にしてある。読者が最高峰のアイドルに心酔している場合を除き、自分を高め格調高い集団の一員となった方が良き伴侶を得られる可能性が高い。諸君の健闘を祈る!

コメント

タイトルとURLをコピーしました