相続税の税率(2024年時点)

用語

相続税は、基礎控除後の課税遺産総額に応じて累進課税されます。税率は以下のように段階的に上昇します。

1. 相続税の基礎控除

相続税が課税されるかどうかは、まず基礎控除を超えるかどうかで決まります。

基礎控除額の計算式: 3,000万円+600万円×法定相続人の数3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:

  • 相続人が1人:3,600万円まで非課税
  • 相続人が2人:4,200万円まで非課税
  • 相続人が3人:4,800万円まで非課税

基礎控除額を超えた場合に、その超過分に対して相続税が課されます。


2. 相続税の税率と控除額

課税遺産総額(基礎控除後の額)に対する相続税率は以下の通りです。

課税遺産総額(基礎控除後)相続税率控除額
1,000万円以下10%なし
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

3. 相続税の計算例

(例)相続人が2人で、遺産総額が1億円の場合

  1. 基礎控除額の計算 3,000万円+600万円×2人=4,200万円3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円 → 課税遺産総額:1億円 − 4,200万円 = 5,800万円
  2. 税額計算(税率適用)
    • 3,000万円まで → 15% → 3,000万円 × 15% = 450万円
    • 残り 2,800万円 → 20% → 2,800万円 × 20% = 560万円
    • 合計税額(控除適用前)450万円 + 560万円 = 1,010万円
    • 控除額(50万円)を差し引く → 960万円
  3. 各相続人の税負担
    • 遺産を2人で均等に分ける場合:960万円 ÷ 2 = 480万円(1人あたりの税額)

4. 配偶者の税額軽減(配偶者控除)

配偶者は相続税が軽減される特例があります。 ✅ 配偶者が受け取る遺産額が次のどちらか以下であれば、相続税はかからない

  1. 1億6,000万円まで
  2. 配偶者の法定相続分まで

  • 遺産2億円で、配偶者が1億5,000万円を相続する場合 → 非課税
  • 遺産2億円で、配偶者が2億円すべて相続する場合 → 1億6,000万円までは非課税、超過分4,000万円に課税される

5. 小規模宅地等の特例

自宅の土地を相続する場合、最大80%の減額が可能

  • 適用条件:相続人が被相続人と同居し、相続後も住み続けるなど
  • 適用範囲:330㎡まで80%減額

  • 価値1億円の自宅土地 → 80%減額後の評価額 2,000万円
  • これにより、相続税を大幅に軽減できる

6. まとめ

基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
累進税率:10%~55%(遺産額が大きいほど税率も上昇)
配偶者控除:配偶者は1億6,000万円まで非課税
小規模宅地等の特例:自宅土地は最大80%減額

相続税は適用できる控除や特例を活用すると、大幅に税負担を軽減できます。事前の相続対策が重要です。

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