財団法人とは

用語

**財団法人(ざいだんほうじん)**とは、特定の目的のために提供された財産を元に運営される法人のことです。一般的に、公益活動や社会貢献を目的として設立されることが多いです。


1. 財団法人の特徴

(1) 設立の基礎が「財産」

財団法人は、一定の財産(現金、不動産、有価証券など)を基礎にして設立されます。
法人の運営資金は、提供された財産から生じる利益や寄付でまかなわれることが多い。

(2) 運営の主体は「理事」

財団法人には、会社のような「株主」や「社員」は存在せず、理事会が運営を担うのが一般的です。

(3) 一般財団法人と公益財団法人

2008年の公益法人制度改革により、財団法人は「一般財団法人」と「公益財団法人」に分かれました

区分主な目的設立要件
一般財団法人任意の目的で設立可能(例:学術、スポーツ振興、文化活動)設立時に3,000万円以上の財産が必要
公益財団法人公益目的(社会貢献、福祉、教育など)一般財団法人の要件+公益認定(内閣府や都道府県の認定が必要)

2. 財団法人の主な例

  • 公益財団法人 日本財団(社会貢献活動支援)
  • 公益財団法人 ソニー教育財団(教育支援)
  • 公益財団法人 住友財団(文化財保護)
  • 一般財団法人 日本自動車連盟(JAF)(交通安全活動)

3. 会社法人との違い

項目財団法人会社法人(株式会社・合同会社)
設立の基盤財産人(出資者)
目的公益活動・社会貢献など営利活動(利益の追求)
経営主体理事会株主(株式会社)・社員(合同会社)
利益分配なし株主に配当可能

4. 財団法人のメリット・デメリット

メリット

公益性が高く、社会的信用を得やすい
税制優遇が受けられる(特に公益財団法人)
法人として長期的な運営が可能(個人事業と違い、法人は存続しやすい)

デメリット

設立に多額の財産が必要(最低3,000万円)
運営が厳格で、監査や報告義務がある
利益を出しても、分配できない(会社法人と違い、理事や設立者が収益を得る仕組みではない)


5. 財団法人の設立方法

(1) 設立準備

  • 目的を決定
  • 設立者が基本財産を用意(3,000万円以上)
  • 定款を作成

(2) 一般財団法人の設立

  • 公証人の認証を受ける
  • 法務局に登記(一般財団法人として設立)

(3) 公益財団法人への移行(希望する場合)

  • 設立後、公益認定の申請(内閣府または都道府県)
  • 厳格な審査を経て、認可されると公益財団法人へ移行

6. まとめ

✅ 財団法人は「財産」をもとに設立される法人
営利を目的とせず、社会貢献や公益活動を主な目的とする
✅ 2008年以降、「一般財団法人」と「公益財団法人」に分かれる
設立には3,000万円以上の財産が必要
会社法人とは異なり、利益分配はできないが、社会的信用が高い

財団法人は社会的意義の高い活動を行う組織ですが、運営には財産の確保と厳格な管理が求められます。

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