GNI(国民総所得: Gross National Income)とは?
GNI(Gross National Income, 国民総所得) とは、ある国の国民が国内外で得た総所得の合計 を示す指標です。
かつては「GNP(国民総生産)」と呼ばれていましたが、現在はGNIが一般的に使われます。
1. GNIの計算式
GNI=GDP+海外からの所得−海外への所得GNI = GDP + 海外からの所得 – 海外への所得
内訳
- GDP(国内総生産): 国内で生み出された付加価値の合計
- 海外からの所得(要素所得受取): 海外に投資して得た配当・利子、出稼ぎ労働者の送金など
- 海外への所得(要素所得支払): 国内の外国人投資家や労働者が母国に送金する所得
2. GDPとの違い
指標 | 意味 | 計算に含まれる範囲 |
---|---|---|
GDP | 国内総生産 | 国内で生産された財・サービスの付加価値 |
GNI | 国民総所得 | 国民 が国内外で得た所得の合計 |
例:
- 日本企業が海外で得た利益 → GNIに含まれるが、GDPには含まれない
- 外資系企業(例: 米国企業)が日本で得た利益 → GDPに含まれるが、GNIには含まれない
3. GNIの重要性
- 国民の経済実態を反映(海外投資の影響も考慮)
- 国際比較がしやすい(IMF, 世界銀行もGNIを重視)
- 開発援助の指標(OECD/DACはGNI比でODA目標を設定)
4. 具体例
国 | GDP(兆ドル) | GNI(兆ドル) | 差 |
---|---|---|---|
日本 | 約4.3 | 約4.5 | +0.2(海外収入が多い) |
米国 | 約25.0 | 約24.8 | -0.2(海外投資家の利益が流出) |
中国 | 約18.0 | 約17.8 | -0.2(外資企業の利益流出が多い) |
5. まとめ
- GNI = 国民の所得総額(国内外を問わず)
- GDP = 国内の経済活動の合計
- 日本のように海外投資が多い国はGNIがGDPを上回る
- 外資企業の利益流出が多い国はGNIがGDPを下回る
結論: GDPは国内の経済活動、GNIは国民の経済力をより正確に表す指標。
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