プットコール・レシオ(Put-Call Ratio, PCR)は、オプション市場で弱気・強気の投資家心理を測る指標の一つです。具体的には、プットオプションの出来高(または未決済建玉)をコールオプションの出来高(または未決済建玉)で割った比率を指します。
計算式
Put-Call Ratio= $\frac{\text{プットオプションの取引量}}{\text{コールオプションの取引量}}$
または、 Put-Call Ratio=$\frac{\text{プットオプションの未決済建玉}}{\text{コールオプションの未決済建玉}}$
解釈
- PCR > 1.0(プットの取引量が多い)
- 弱気市場(投資家は下落を警戒)
- ただし、過度な弱気は逆張りの買いシグナルになることもある(逆説的に強気の可能性)。
- PCR < 1.0(コールの取引量が多い)
- 強気市場(投資家は上昇を期待)
- しかし、過度な強気は逆張りの売りシグナルになることもある。
- PCR = 1.0
- 市場は中立的な状態。
活用方法
- センチメント分析
- 高すぎるPCR(例:1.5以上)は投資家の恐怖が強いことを示し、株価の底打ちを示唆する可能性がある。
- 低すぎるPCR(例:0.5以下)は楽観が行き過ぎており、調整が近い可能性がある。
- 逆張り指標
- PCRが極端に高い場合、売られすぎと判断し、買いを検討。
- PCRが極端に低い場合、買われすぎと判断し、売りを検討。
- トレンドの確認
- 長期的なPCRの推移を確認し、トレンドの変化を探る。
種類
- 出来高ベースのPCR(取引量を使用)
- 未決済建玉ベースのPCR(建玉数を使用)
注意点
- PCRは単独では売買の判断材料にならないため、他のテクニカル指標(移動平均線、RSIなど)と組み合わせて活用するのが望ましい。
- 市場の状況や流動性により、PCRの適切な水準が異なる。
プットコール・レシオは投資家心理の「過熱感」を測るのに有効な指標なので、特に市場の天井や底を予測する際に役立ちます。
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